20011215

JAグループ千葉など 農政の確立訴え座り込み


 全国農業協同組合中央会(全中)は12月11日、ネギ、生しいたけ、畳表などの緊急輸入制限措置(セーフガード)の本格発動を求める全国代表者集会を開いた。
 また、翌12日、JAグループ千葉などが東京の農林水産省前で、座り込みを行った。応援にかけつけた全国農協青年部協議会(全青協)の谷則男委員長は「農業は国の進路にかかわる問題だ」と述べ、農政確立を訴えた。

北海道猿払村 畜産農家が政府に嘆願書

 牛海綿状脳症(BSE)感染牛の2頭目が発見された、北海道猿払村芦野地区の酪農家23戸が12月3日、小泉首相や武部農相らに、農家への損失補償、安全性に対する消費者理解の徹底などを求める嘆願書を送付した。国はBSE感染牛が発見された場合、牧場内の疑似感畜牛の処分を決めたが、同地区の酪農家は「生きている牛は感染源にはならない」と反発している。円丁辰夫・芦野酪農振興会会長に聞いた。

政府の対応の悪さで混乱

円丁辰夫・芦野酪農振興会会長

 2頭目のBSE感染牛が出て、現場は混乱している。
 国の政策の不備によって肉骨粉は輸入された。猿払村で肉骨粉を牛に食べさせている農家はない。にもかかわらず、なぜ、われわれがこんな思いをしなくてはいけないのか。
 とにかく「感染の疑いあり」というだけで、牛が処分されるのは、とても我慢ならない。BSEは、牛から牛には直接感染しない。しかし、同居牛まで処分というのは、あまりにもおかしい。
 畜産農家は消費者に好まれる肉をつくるため大変苦労をしている。大事に育てた牛は家族同然だ。補償は当然だが、お金だけで済む話じゃない。
 嘆願書のことが報道されてから、「私も同じ気持ちだ」と道外の酪農家からも激励を受けたり、「私も嘆願書を出すから見せてほしい」との電話もあった。
 農水省や厚生労働省の対応が後手後手に回ったので、不信感をもっている消費者も多いと思う。こういう対応の悪さが混乱の大きな原因だ。
 以降も、消費者との対話などを通じて、BSEに対する正しい理解を求めていきたい。