20011115

自衛隊第1陣が佐世保出航
対米追随、軍事大国化狙う

自衛隊派兵を糾弾する

労組、大衆団体が怒りの抗議


 十一月九日、海上自衛隊佐世保基地(長崎県佐世保市)から自衛艦三隻がインド洋に向け出航した。
 小泉政権は、ついに自衛隊派兵に踏み切った。わが国の自衛隊派兵は、米国の意向に忠実に従ったもので、追加派兵の本体部隊と合わせ、米軍の軍事戦略のもとで行動することとなる。わが国は米国に追随しながら、いっそう軍事大国化への道をつき進んだ。
 今回の派兵には、参戦の「実績」をつくることで、小泉政権が画策する「アフガン復興会議」を進めたいとの狙いも隠されている。
 自衛隊派兵には、日本国内はもとより、アジアの諸国から批判の声があがっている。当然である。小泉政権は、アジアと敵対し、わが国の国益を損なう売国奴である。断固としてこれと闘わなければならない。米国の軍事攻撃をやめさせ、自衛隊の海外派兵、軍事大国化に反対する国民運動を発展させよう。
 戦争の長期化にともない、米国への国際的非難が、高まりをみせている。国内でも、沖縄をはじめ、各所で闘いが繰り広げられている。長崎県平和・労働センターの坂本浩事務局長に話を聞いた。

広い戦線築いて闘う
長崎県平和・労働センター
坂本 浩事務局長

 目の前で三隻の自衛艦が出ていって、止められなかったという悔しい思いがある。平和・労働センターでは、労働組合と関係の市民団体なども合わせ百人ぐらいが抗議行動に参加した。緊急の取り組みだったが、結構参加したと思う。
 テロ対策特別措置法は、自衛隊が、海外に出ていって、おそらく武力行使に参加するもので、いわば戦後日本の安全保障、防衛問題のまさに一大転換だ。ところが、小泉首相は「テロなんだから」と盛んに強調し、派遣先の自衛隊の活動についても「常識の範囲だ」と、まともな議論なしに法律を通してしまった。
 街頭に出ると、市民の反応は結構良い。国民の間には、これでいいのかという声が多くある。報復戦争に反対だという声も多い。この問題では国論が二分していると感じている。ところが、一方の世論が無視されている。これだけ国民の考えと国会がかけ離れている時はない。政治不信が言われるのも無理はない。
 二つめに、特に今回は、調査・研究といって、防衛庁法をねじまげて、それを名目にしている。だが、何がなんでも自衛隊を海外に行かせる実績を、この際つくってしまおうと、これは明らかだと思う。まさに「ショウ・ザ・フラッグ」で、旗を見せに行く。その象徴として自衛艦三隻が行った。
 米軍の空爆が長く続いて、国際的な世論も変化してきている。国際社会が当初認めていたのは、ビンラディン氏の拘束で、彼を犯人と決めつけて、テロ組織とそれをかばう政権に対しての行動だと認めた部分はあると思う。ところが、実際には空爆は一般の国民を犠牲にしている。
 私たちは、テロに対しては理性と国際法に基づいてきちんと対処すべきだと言ってきた。その声がだんだん大きくなっていると思うし、実感もしている。。報復戦争では解決しない。
 今後の運動としては、自衛隊の本体が出る時も行動していきたい。自分たちでできる平和貢献をしていきたいと、長崎では、今いろいろな形で活動している人たちがいる。私たちもこうした人びとと連携して運動をしている。幅広い運動を進めていくことがだいじだと考えるからだ。いま全国でさまざまな運動がある。この運動の広がりが私たちにとっても心強い。

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