20011005

報復戦争反対の闘い全国で


 米国によるアフガニスタンなどへの報復戦争策動が強まる中、米国の戦争に反対し、わが国小泉政権による戦争協力に対する反撃の闘いが始まっている。これは、日本の進路にとっても重大な問題である。今国会での「テロ関連法案」などの成立を阻止して、アジア・アラブ諸国と共生し、自主的・平和的な国の進路を実現するためにも、「報復戦争反対」「日本の参戦反対」の運動をさらに幅広く、全国で巻き起こすことが緊急に求められている。

東京 1800人が集会・デモ

 「テロにも報復戦争にも反対 市民緊急行動」が九月二十四日、東京で開かれた。主催は同行動で、約千八百人の労働者・市民・学生などが参加した。
 主催者あいさつを行った日本消費者連盟の富山洋子氏は、「多くの人びとが亡くなった悲しみを踏み台にして、ブッシュは戦争を行おうとしている。しかも、小泉首相はそれをいち早く支持し、米軍支援のための新法制定など、戦争への道を進んでいる。彼らは『湾岸戦争の二の舞を避ける』などと言って憲法をないがしろにしており、絶対に許せない」と怒りをあらわにした。
 続けて、「すでに日本の米軍基地は臨戦態勢にあり、インド洋への艦艇派遣なども行われようとしている。だが、流血は事態をさらに悪化させ、心を荒廃させる。皆の力を結集して、戦争・暴力の連鎖を断ち切ろう」と呼びかけた。
 問題提起を行った元津田塾大学教授のダグラス・ラミス氏は、「テロを口実に、米国は軍と中央情報局(CIA)に、海外の要人暗殺を認めるなど、フリーハンドを与えようとしている。だが、この報復戦争は、どうしても止めなければならない。なぜなら、米国が行おうとしているのは戦争ではなく、最初から国際法を無視した『国家テロ』だからだ。米国内にも戦争に反対する声はあり、反戦のネットワークを強化することが求められている」と語った。
 また、日本国際ボランティアセンター(JVC)などがアピールを行い、「テロの背景には、不平等な経済や資源の収奪がある。社会・経済の仕組みを変えることが重要」などと述べた。
 集会アピール採択後、参加者は都内をデモした。

福岡 広範な国民連合・福岡総会
野田氏が対米支援を批判


 自主・平和・民主のための広範な国民連合・福岡の第九回総会が九月二十九日、福岡市で開催され、百人以上が参加した。
 総会に続く第二部では、元駐インド大使の野田英二郎氏が、「アジアの中の日本」と題して記念講演を行った。
 野田氏は、米国で起きた同時テロ事件への日本の対応に関して、「対米支援法の制定、ましてや集団的自衛権行使は、米国の報復戦争にまきこまれるものだ」と警鐘をならした。また、教科書問題、靖国神社参拝問題などに関して「アジア諸国の国民感情をまったく理解していない」と、小泉首相の外交姿勢を強く批判、日本とアジアの歴史的な関わりに触れながら、日本が米国に追随せずアジアの一員として生きることを提唱した。
 また、総会では、ノリ不作で苦しむ有明海漁民からの「諫早湾干拓の全面中止までみなさんの協力をお願いしたい」との連帯のメッセージをはじめ、麻生渡・福岡県知事、県内自治体首長、JA福岡中央会などから多数の祝電・メッセージが寄せられた。
 総会の最後には、「米国の報復戦争に反対し、自衛隊海外派兵のための法整備に反対する特別決議」も採択された。
 なお、総会に先立ち、福岡・天神で自衛隊の海外派遣に反対する街頭宣伝や、福岡県選出の国会議員全員に対して米国支援のための法整備に反対する申し入れが行われ、闘いの最中での総会となった。

大阪 自衛隊参戦反対訴え
労組などが連日集会


 「報復戦争反対、自衛隊の参戦を許すな! 学習集会」が九月二十七日、大阪市で開催された。
 同集会は、大阪ユニオンネットワーク、「平和な島を!」関西沖縄の会などで構成される実行委員会主催で、一〇・二一国際反戦デーのプレ企画。集会には、全港湾、関西生コンなど労働者を中心に二百人が参加した。
 講演に立った前田哲男・東京国際大学教授は、「国会では与党三党と民主党の賛成により、『テロ批判決議』が行われたが、これは際限ない対米協力を約束するもので、憲法に対する重大な挑戦だ」と述べた。
 続けて、「沖縄では、米軍基地が即座に臨戦態勢に入り、出撃拠点になっている。テロ事件の背景には米国の中東政策があり、歴史から切り離して論じても真の解決にはならない」と指摘した。
 最後に、わが国の問題として、「報復戦争支援の新法をつくること自体、憲法違反である。反対の世論をつくっていこう」と呼びかけた。
 また、前日の二十六日には、「テロ犠牲者の追悼とアメリカ政府の報復戦争に反対するピースウォーク」が大阪市で行われた。
 これは、桂睦子・茨木市議などが中心となった実行委員会が呼びかけたもの。
 会場には、集会に初めて参加する若者や、労組員など、六百人が参加した。
 ピースウォークでは、参加者は思い思いのプラカードを掲げ、平和を願う歌を歌うなどして、デモを行った。

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