20010905

北海道農民連盟、JA全中が集会

農業経営危機突破を


 小泉政権は、「聖域なき構造改革」を主張しており、農業においても効率性や激しい競争をさらに強めようとしている。すでにコメの青刈り強制や輸入野菜の急増など、日本農業を破壊する動きは急である。そうした中、北海道農民連盟は経営危機突破全道集会を開催した。また、全国農協中央会(JA全中)と全国農政連は農業政策確立緊急全国代表者集会を開催した。世界貿易機関(WTO)農業交渉を控え、政府の農業破壊政策などに反対し、日本農業再建の運動を発展させよう。

 北海道農民連盟と北見地区農民連盟は八月二十七日、北見市で「二〇〇一秋闘・農政改革農業経営危機突破全道農民集会」を開催し、千五百人が参加した。この集会は北海道や道内の市長会、消費者団体、連合北海道などが後援した。
 全道集会は毎年、開催しているが、今年は海外からの輸入野菜急増や「小泉改革」による農政の変化が予想されるため、武部農水相の地元である北見市において規模を拡大して開催された。
 主催者あいさつに立った信田邦雄・道農民連委員長は「米価の下落は激しく、つくるほど赤字になるのが実際だ。農業予算の恩恵が農民に届いていない」と道内農家の厳しい現状について訴え、今の農政について批判した。
 続いて緊急輸入制限措置(セーフガード)の本発動や食料自給率の向上、世界貿易機関(WTO)農業交渉での日本提案の実現などを求める集会スローガンと決議を採択した。参加者は二台のトラクターを先頭に北見市内をデモ行進した。

◇      ◇

 JA全中と全国農政協は八月二十七日、東京で「農業政策確立緊急全国代表者集会」を開催し、全国から農協関係者など二千人が参加した。
 主催者を代表して原田睦民・全中会長が「農業者の役割は安全で安心できる食料の供給だ。国民に対する食料供給の役割を今後も担っていきたい」とあいさつした。
 続いて千代正直・全中副会長が、農業予算の十分な確保や一般セーフガードの本発動などを求めた。また、決意表明として三人が壇上に立ち、「日本農業の根幹が崩れようとしている。農業者が一致団結して、食料、農業を押し出していこう」(谷則男・JA全青協会長)。「政府の農業施策は打ち出すとすぐに制度疲労を起こす。多様な担い手を対象にした政策が必要」(嶋津一男・JA北越後組合長)と、口々にこんにちの農政に対する危機感と不満を訴えた。
 集会では、二〇〇二年度農業関係予算の確保に向けた決議や米国産冷凍弁当の輸入販売中止を求める決議を採択し、WTO農業交渉に向け、食と農の国民運動を強めていくことが確認された。

ページの先頭へ