20010725

埼玉 広範な国民連合・埼玉総会

武者小路(中部大教授)が新たな進路訴え


 自主・平和・民主のための広範な国民連合・埼玉の第四回総会が七月二十日、さいたま市で開催された。
 冒頭、代表世話人の奥田芳郎・さいたま市議が、「小泉首相は靖国参拝や集団的自衛権の問題など、憲法改悪につながるような発言を声高に言っている。また、国民生活を犠牲にすることについて『痛みを恐れない』と言う。構造改革なるものが誰のためのものなのか、県民世論を盛り上げて異議申し立てをしたい」とあいさつした。
 記念講演では、武者小路公秀・中部大学教授が、「米国のアジア戦略と日本の進路」と題して講演を行った。
 武者小路氏は、まず小泉政権に触れ、「靖国神社への公式参拝など、非常に『日本主義』的な発言をしているが、一方で、米国を中心に世界を描き、ドルの支配体制を支えている。これでは、米国のアジア戦略に日本がはまってしまう」と指摘した。
 また、米国のアジア戦略について、「米国は、グローバリズム経済という自由放任主義経済の繁栄と安定を、日本との共同覇権の下に追求している。日本は米国のアジア戦略の下支えとしての役割を担わされる。米国はさしあたり、朝鮮民主主義人民共和国と中国を仮想敵国にしている。そうでなければミサイル防衛(MD)計画などは正当化できないし、中国にスパイ機も飛ばせない。こうしたことは単に軍事的な問題にとどまらず、科学技術の面でも覇権をめざす米国の姿勢を示している」と暴露、わが国の対米従属の問題についても指摘した。
 そして最後に、「反覇権の大きな動きは、第三世界の国家や民衆、先進国内の国民によって共同で展開されようとしている。日本の進路は対米従属の共同覇権の道か、反覇権・民衆中心のアジアへの道かが、大きく問われている」と訴えた。
 講演後、参加者を交えた討論に入り、「ブッシュ政権と前クリントン政権とのアジア政策の違い」「アジアにおける日本の役割」など、熱心に議論が行われた。
 なお、総会には土屋義彦・埼玉県知事をはじめとする県内自治体首長、労組などから、多数の祝電・メッセージが寄せられた。

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