20010715

東京 歴史認識は最も大事

各界が日朝国交正常化求める


 「一日も早く日朝国交正常化を!」集会が七月七日、東京都で開かれ、約五十人が参加した。
 この集会は片岡健氏(自主・平和・民主のための広範な国民連合・東京代表世話人)、隅谷三喜男氏(東京大学名誉教授)、中江要介氏(元駐中国大使)、槙枝元文氏(朝鮮の自主的平和統一支持日本委員会議長)らが呼びかけたもの。
 冒頭、主催者を代表して片岡氏が自らの戦争体験を振り返りながら、「昨今の『つくる会』の教科書問題などを考えると、また同じことが繰り返されようと心配している。隣国である朝鮮と日本との関係を多くの人が勉強しなければならないのでは」と述べた。
 「南北共同声明一周年と日朝関係の正しい歴史認識を」と題して講演に立った中塚明氏(奈良女子大学名誉教授)は、「昨年の南北共同声明によって、南北朝鮮の人びとは民族自決の精神の重要性を改めて認識した。韓国では北朝鮮敵視の見方が国民の中でも消えつつある。平和的統一に向け、大きく前進した」と、その意義を強調した。
 また、わが国政府の態度について「日朝国交正常化交渉での日本側の態度を見ると、南北朝鮮のこうした動きに対していろいろと足を引っ張っている。日本国内の議論には『南北朝鮮は分裂していた方がよい』とするものさえある」と、対応を批判した。
 そして「つくる会」教科書の問題に触れ、「文部科学省が『つくる会』教科書を検定合格させたということは、政府がこの教科書の歴史認識にお墨付きを与えたということで、アジア諸国が怒るのは当然だ」と指摘した。
 続けて、「日本は日韓併合にいたる過程で、朝鮮に対して数々の軍事的、暴力的圧迫を行った。こうしたことをありのままに見ることが必要だ。誤った歴史認識には未来はない」と締めくくった。
 その後、小泉首相、田中外相に宛てた「一日も早い日朝国交正常化を求める申入書」が提案され、参加者の拍手で採択された。
 なお、集会には清水澄子、大脇雅子、谷本巍の各参議院議員や奈良本英佑・法政大学教員、鶴田満彦・中央大学教授などから、多数の賛同やメッセージが寄せられた。

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