20010705

東京 米軍被害者の会が集会

被害者を二度とつくるな


 米軍人・軍属による事件被害者の会による、損害賠償法制定を求める集会が六月二十六日、東京で行われた。
 被害者の会代表の海老原大祐氏は、九六年に息子を在沖米兵にひき殺されたことを振り返りながら発言した。
 「米軍との関係は、ドイツなどの他国をモデルに改善すればよいというものではない。最低でも平等な関係にしなければならないはずで、そうすることで、世界で信頼される。私はある日突然子供を失ったが、米軍法務部はすぐにカネをちらつかせ、日本政府は『公務外』との理由で遺体の引き取りにすら協力してくれなかった。私と同じ目にあった人はヤマほどいるはずだが、なぜ泣き寝入りしなければならないのか」と、怒りをあらわにした。
 「運動の成果で、米軍関係車両の保険加入が義務化されるなど、一定前進があった。だが、交通事故は保険で何とかなるだろうが、殺人やレイプはそうはいかない」と、問題の根本的解決にはほど遠いことを指摘、損害賠償法制定を求める決意を述べた。
 被害者の会・沖縄事務局長の村上有慶氏は、「事件・事故は毎日のように起こっている。北谷町で行った放火事件の際もそうだったが、米軍側の『配慮』がないと、起訴前の身柄引き渡しすらできないのが実態だ」と、連日の米軍犯罪に怒りを表明。「私も親族が交通事故にあったが、賠償金を受け取りに五年間にわたり基地に通ったあげく、わずか九十二万円だった。どうして被害者が会社を休んでカネを受け取りに行かなければならないのか。こんな屈辱的なことはない」と、無念さをこらえきれず述べた。
 えひめ丸被害者弁護団幹事長の木村晋介弁護士は、「沈没したえひめ丸は愛媛県の所有物であり、県も被害者のはず。ところが県は訴訟に協力しないどころか、裁判で真相究明を求める被害者に示談をすすめるなど、切り崩しのようなことを行っている」と、愛媛県の対応を批判した。
 えひめ丸事件については「原潜グリーンビルは、遊園地の『絶叫マシン』のような急激な上下動を行っており、明らかに客を喜ばせるためのものだ。モニターの故障があっても出港するなど、過失ではなく故意に近い」と、米軍を糾弾した。
 さらに、「八一年の米原潜による日昇丸当て逃げ事件(二人死亡)を十分追及できなかったことが、えひめ丸の悲劇を招いた。こんな屈辱的な事件を、絶対に忘れてはならない。そのための取り組みを強めていこう」と述べた。
 米軍基地撤去の闘いと同時に、被害者への誠実な補償と再発防止、真相究明が求められている。

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