20010525

沖縄 名護〜那覇を貫徹 県職労など南部コースも

米軍撤退求め平和行進


  復帰二十九年目を迎える沖縄では、五・一五平和行進など米軍基地撤去を求める運動が粘り強く闘われている。おりから米国内では、下地島への新たな空軍基地建設を要求する提言がまとめられるなど、米国の対中国戦略の一環として、沖縄の米軍基地がますます強化されようとしている。だが、沖縄・全国の米軍に対する怒りは根強い。これを基礎に、全国で基地撤去の広範な運動を巻き起こすことが求められている。

 沖縄の本土復帰二十九年を迎えた五月十五日を期して、沖縄平和運動センターによる恒例の平和行進が取り組まれた。労働組合を中心とする参加者は、普天間基地移設候補地である名護市から那覇市まで行進した。
 十五日は、沖縄本島最北端の国頭村辺戸岬で「大かがり火集会」が行われた。集会は本土側の鹿児島県与論島でも行われ、あわせて四百人が参加、復帰運動に思いをはせ、米軍基地撤去運動への決意を新たにした。
 十六日には、辺戸岬から名護市まで自動車三十台によるパレードが行われ、名護市で「基地の県内移設に反対する全国総決起大会」が行われ、全国から労働者千人が参加した。
 あいさつした崎山嗣幸・沖縄平和運動センター議長は「新たな基地機能強化の動きに反対するため、名護を出発点とした」と、平和行進の意義を訴えた。さらに「『復帰』は沖縄の状況を変えなかった。基地撤去のため、全国の人びとと共に闘おう」と呼びかけた。
 また、山内徳信・基地の県内移設に反対する県民会議共同代表が基調講演を行い、米軍の撤退と県内移設の撤回を求める集会決議も採択された。
 翌十七日、名護市役所前から平和行進がスタートし、炎天下のもと、参加者は米軍基地撤去と基地新設阻止を訴えた。
 行進最終日の十九日には、行進参加者など三千人が結集して「沖縄平和祭り」と県民大会が開催された。
 崎山議長は、波照間島・下地島への米軍機強行着陸に触れ、全国から参加した労働者に「新たな基地建設や軍用機の民間空港利用など、米軍の重圧は目に余る。平和な島をつくる運動を全国で広げてほしい」と訴えた。
 行進に参加した青年労働者が次々に壇上で発言、「基地の現状を体にたたき込み、今後も闘っていく」など、各地で基地撤去の闘いを広げる決意を表明した。
 また十五日には、県職労、糸満市職労など、自治労加盟六単組による南部コース平和行進団が、沖縄戦で悲惨な地上戦が闘われた県南部地域を行進、二百人の労働者が参加した。
 出発式では、玉城勉県職労委員長が「復帰後も基地機能は強化されている。県民一人ひとりが立ち上がり、状況を変えていこう」と呼びかけた。参加者は、那覇市から糸満市まで行進した。
 さらに、市民団体「軍港建設を問う! 浦添市市民行動実行委員会」と「平和市民連絡会」など二百人が十五日、那覇軍港の浦添移転に反対して浦添から那覇までデモ行進した。