20010515

青森
いか釣り漁船が連続減船

漁業危機突破大会開く


 「いかつり漁業危機突破決起大会」が四月二十四日、青森県八戸市で開かれ、五百人の漁民が参加した。
 この集会は、いか製品の輸入増加などにより、八戸港と大畑港を母港とする中・大型イカ釣り船の漁業不振を打開しようと取り組まれたもので、昨年も同趣旨で行われている。
 熊谷雄一・県いか釣漁業振興協議会会長は、八戸港所属の中型船六十一隻のうち約十隻が、今シーズンで休廃業するなど厳しい状況にあることを報告した。続けて会長は、国内漁業の保護を訴えた。
 集会では、外国漁船による損失への国の補償、魚価安定のため、全いか製品に対するセーフガードの発動など六項目を決議、二十六日は農林水産省などに陳情を行った。
 中型いか釣り船漁は北太平洋などを漁場に、五月から翌年二月まで行われる。しかし、外国から低価格のいか製品が大量に輸入されており、相場は下落している。中型船は年間水揚げ高が一億円以下だと採算割れとされるが、同振興会によると、参加漁業者は二年連続で平均七千七百万円にとどまっている。
 いか釣り漁船は、昨年、八年ぶりに減船となったが、これで二年連続の減少。減船を行った場合は、国などから補償が行われるが、一隻当たり二千五百万円前後の費用のうち、三分の一を業界団体が負担しなければならない。加盟船主の経営不振が続いていることから、負担金が同協議会の経営を圧迫しているという。
 アジア諸国との経済摩擦については、日本・アジア双方の共存共栄の立場で、友好的に解決されなければならない。しかも、農産物をはじめ、問題になっている輸入製品の多くは、わが国企業の海外投資によって生産され、逆輸入されたものが多い。その意味では、これは「国内問題」でもある。
 農漁民、中小商工業者が安心して営業・生活できる内外環境を整えることこそが、政治の責任である。