20010425

教科書問題
国連人権委で批判続出 

侵略の歴史はごまかせない


 政府による「新しい歴史教科書をつくる会」教科書の検定合格に対し、国際的批判がますます高まっている。国連人権委員会では四月十一日、韓国、朝鮮民主主義人民共和国、中国が、侵略の歴史わい曲を批判する演説を行った。日本国内でも、キリスト者などによる国会前座り込み行動などが取り組まれた。これをいっそう発展させ、アジアと共に生きる日本の進路を実現する行動が求められている。国連における三国代表の発言要旨を紹介する。

【朝鮮民主主義人民共和国】
 朝鮮民主主義人民共和国は、日本政府の意図的で狡猾(こうかつ)な歴史の歪曲は、朝鮮人やその他の被害を受けた諸国の被害者への耐え難い恥辱と侮蔑(ぶべつ)であるので、強く非難し、拒否する。日本の教科書は国際共同体への詐欺(さぎ)に等しい。
 米軍兵士による性暴力など、自民族の少女に対する暴力に敏感に反応するのに、日本は第二次大戦時に日本帝国軍が他国の女性を性奴隷とすることで犯した人道に対する罪の責任から逃げようと努力している。日本人が一人の女性に対する暴力にひっくり返ったのと同じように、朝鮮人は、過去に日本によって二十万以上の朝鮮女性に対して行われた性的虐待に対して、ずっと大きい憤激(ふんげき)を燃え上がらせている。
 日本が人権蹂躙(じゅうりん)と戦争犯罪を犯したことはよく知られており、十分証拠がある。なぜ被害者がいまなお賠償を求めているのか。 日本が過去の犯罪の歴史をわい曲しようとするからである。

【韓国】
 一九九八年、韓日パートナーシップ共同宣言で新しい歴史のページが開かれたので、韓国政府は日本政府が誠実な悔恨(かいこん)を表明し、こうした重大人権侵害の再発予防のための努力をすることを期待した。しかし、日本の歴史教科書検定の最近の結果を見ると、故意に日本の悪事を隠したり、記述を減らしている教科書がある。韓国政府は、日本政府がこの問題を改正するのに必要な措置を講じ、こうした歴史のわい曲を予防するよう要求する。

【中国】
 中国政府は日本政府代表の反論を拒否する。過去の歴史についての日本による正しい理解は、日本社会だけではなく、アジアと世界にも関係する。日本がこの点で責任逃れしようとしているのは、残念である。