20010415

青森・三沢 米軍機が太平洋に墜落
漁民が怒りの海上デモ

米軍は漁場を荒らすな


 えひめ丸事件以後も、沖縄で四月十一日、海兵隊員がひき逃げ事故を起こすなど、米軍の犯罪・事故はやむことがない。青森県の米軍三沢基地所属のF 戦闘機が三日、同基地近くの天ヶ森射爆場で訓練中、射爆場沖の太平洋上に墜落した。これに対し、三沢市漁協が海上デモを行うなど、怒りの声が高まっている。連合沖縄が呼びかけている海兵隊削減のための百万人署名など、全国で米軍基地撤去のための運動を発展させることが求められている。

 米軍三沢基地所属のF 戦闘機が太平洋上に墜落した問題で四月九日、三沢市漁業協同組合が漁船約六十隻・百五十人を繰り出して海上デモを行った。
 これは、事故機残がいが漁場を荒らした上、揮発性の高いジェット燃料が海に流出したこと、米軍が六日、一方的に飛行訓練再開を通告したこと(三沢市の抗議で中止)など、まったく誠意をみせないことに抗議したもの。
 三沢基地のブランチェット副司令官は、事故後一週間近くたった九日、鈴木重令・三沢市長に事故機の引き上げを行うことを表明した。だが、副司令官はその場で訓練再開を要請するなど、「謝罪」の名にあたいしない横暴ぶりをみせつけた。これを受けて同日、訓練は飛行に限って再開されたが、米軍は機体回収後、すぐさま射爆訓練も再開する方針。
 決起集会であいさつした漁協の澤口政仁組合長は、「海には油が浮いてひどい状況だ。機体を回収しないうちに飛行訓練を再開するのは許せない。一致協力して射爆場にデモをかけよう」と呼びかけた。漁民は抗議の大漁旗を掲げ、訓練が行われた天ヶ森射爆場沖合でデモを行った。
 飛行訓練再開に対し、澤口組合長は「まもなく、コウナゴ漁やマコガレイ漁の最盛期に入るというのに、米軍は漁民のことを考えているのか。機体を完全撤去しないうちは、射爆撃場は使わせない。もし米軍が約束を破れば、海上を封鎖する」と抗議、飛行再開にも不満を表明した。
 F 戦闘機は八五年に三沢基地に配備されたが、これまで二十八件の事故を起こしている。九八年七月には、三沢基地内で離陸失敗でオーバーラン、機体が炎上する事故が起こった。
 昨年九月、三沢市は夜間連続離発着訓練(NLP)と天ヶ森射爆場での夜間訓練に抗議し、米軍との友好関係凍結を打ち出したが、この二月末に凍結を解除したばかり。米軍による相つぐ事故と横暴な態度に、三沢市民の怒りは頂点に達しようとしている。


米軍F16戦闘機の事故


87.3 洋上訓練中に、機械故障で八戸市沖に墜落。
88.9 エンジン出力低下で岩手県山中に墜落。
91.5 エンジン異常で三沢基地内に墜落。
92.1 米本国に向かう途中、太平洋上で給油機と接触・墜落。
93.4 空中支援訓練中に韓国オーサン基地沖に墜落。
98.7 三沢基地内でオーバーランし炎上。
99.1 岩手県山中に墜落し炎上。後に発ガン物質の搭載が判明。
2000.11 2機が北海道松前沖で空中衝突し墜落。

(三沢基地所属のもので、主な事故のみ)