20010405

えひめ丸事件のあいまいな決着を許さない

米軍の横暴許すな日米安保破棄


 米原潜による実習船えひめ丸沈没事件は、真相解明をめぐって米海軍査問委員会が開催されたが、元艦長らの弁護士は、「責任を問えず無罪」を主張している。森政権は米政府に対し、真相究明、完全なる補償、再発防止の手だての確立など、最低限の要求をき然と行わなければならない。それと同時に、今回の事件に表れたわが国政府の対米追随ぶりは、厳しく批判されなければならない。
 おりしも、四月一日に発生した沖縄発の米軍機と中国機との接触事故は、沖縄が米軍のスパイ活動の拠点であることを改めて明らかにした。まさにわが国内の米軍基地が、アジアと敵対するために使用されているのである。
 さらに米原潜シカゴは何の通告もなく四月二日、長崎県佐世保港に寄港した。米原潜の無通告寄港は初めてのことであり、まさに日本の港湾をわがもの顔に使っている姿をさらけ出した。
 その翌日には三沢基地の米軍機が墜落する事故が発生。
 米国のアジア戦略は、日本に片棒を担がせ中国や北朝鮮に敵対するものである。そのために、日本を中心に米軍十万をアジアに配置することである。そして、その犠牲が沖縄に集中されているのは、周知の事実である。
 こうした中、連合沖縄が海兵隊撤退などを求める百万人署名運動を開始したのは重要な闘いである。また、沖縄での実弾演習が本土に分散されているが、日出生台演習場のある周辺三町議会は、演習中止・日米地位協定の改定などを求める意見書を採択した。 労働者は国民の先頭で、東京でのデモのように全国で政府の対米追随外交に反対し、自主的な国の進路を求める声と行動を大きくしていこう。

学生らが抗議デモ

 米原潜事件に抗議する緊急行動が3月29日、東京で行われた。青年・学生が中心になり、実行委員会が主催したもの。 雨の中、米大使館前で抗議行動を行い、代表が抗議文を読み上げ、米大使館に手渡した。その後、抗議集会を開催した。
 集会では、船員などでつくられた海上労働ネットワークの篠原事務局長が「潜水艦は海中で何のルールもなく行動している。20年前も米原潜による日昇丸事件が起きたが、米軍の横暴は変わっていない」と批判した。沖縄から考える全国ネットワークの川口みどりさんは「学生の中で沖縄を考え、行動している。えひめ丸事件の政府の対応は、日米関係を守るとするだけ」と強く政府を批判した。
 集会決議を行った後、デモ行進に移り、雨の中道行く人びとからは、えひめ丸事件のデモと分かると「がんばって」との声援も飛ぶなど、注目される行動となった。