20010315

教科書問題 

アジアの反発は当然

「内政干渉」論は誤り


 「新しい歴史教科書をつくる会」(以下、「つくる会」)による歴史教科書が検定に提出されている問題について、アジア諸国の反発が広がっている。
 韓国では二月二十八日、独立功労者遺族会など二十以上の団体・千五百人がソウルで集会を開催。韓国教員団体総連合会も三月一日、集会とデモを行った(写真)。
 また、中国「人民日報」は、教科書問題は「日本が平和的発展の道を堅持するのか、再び軍国主義の道を行くのかに関係する」と強調した。
 タイの「バンコク・ポスト」も、「日本の政治家は、今こそ歴史の教訓を学べ」と批判している。

高嶋伸欣・琉球大学教授の話

 アジアを侮辱した「つくる会」による教科書について、反発が起こっているのは当然だ。
 政府は八二年、教科書検定において近隣諸国の感情に配慮するという条項を盛り込んだ。これは他の検定基準とは別で、いわば「国際公約」だ。だから、産経新聞が諸外国の反発を「内政干渉」などと言っているが、当たらない。
 「つくる会」は、自分たちの教科書を採択させようと地方議会にも圧力をかけていた。だが、福島県郡山市では、保守会派も含めた反対で、彼らの請願が不採択になっている。国際的にも国内的にも、かれらは追いつめられているといえる。