20010225

イラク大使館が声明

米英の野蛮な爆撃に抗議を


 米英によるイラク空爆に対し、イラク共和国大使館より声明が発表されたので、その要旨を掲載する。

 2月16日、米英軍はバグダッドの南部を爆撃し、罪のないイラク市民多くの死傷させることによって、ブッシュ政権の侵略的本質をさらけ出した。
 米英は、イラク対空基地からの応戦への報復であると言っているが、イラクの軍隊が自国の国民を守るのは当然の権利である。そもそも、イラクはいわゆる「飛行禁止区域」なるものを認めていない。これらの区域は、国連の承認なしに、米英両国が一方的に押しつけたものであって、何らの法的根拠をもっていないからだ。
 米英両国は、1998年12月17日から2001年の2月14日までに、すでに2万9472回も軍用機を出撃させており、貯水場、病院、学校を空爆している。米国は、世界に向かって「人権外交」などと偽善的な宣伝をしているが、イラクに対する野蛮で不当な経済制裁をいまなお継続しており、これまでに幼児、高齢者、女性を中心とした150万という信じられない多数の市民に死をもたらした。
 米国は、崩壊しつつある制裁を再度強化しようと焦っている。それは、多くの国がバグダッドに大使館を再開しはじめ、また制裁解除を求める声が高まっているためだ。
 米国が全世界でますます大きな困難に遭遇することは確実だ。アラブ世界はいうまでもなく、ロシア、中国、フランスや多くの国々は、米国の殺人的爆撃を糾弾している。われわれは、親愛なる友人である、平和と正義を愛する日本の国民が、世界の繁栄と世界平和のために、非人道的な経済制裁を1日も早く解除させるため、また今回の米国の侵略行為を非難する声をより大きくあげていただくことを期待する。