20010115

中央旗開き来賓あいさつ


安保破棄し基地撤去を

基地の県内移設に反対する県民会議共同代表、
沖縄大学教授 佐久川 政一

 二〇〇一年の旗開きおめでとうございます。
 沖縄の問題というのは、安保がからんでいます。安保を堅持し、米軍に提供する基地を安定的に確保するために、沖縄県民に基地を押しつけているわけです。
 安保繁栄論とか安保ただ乗り論がありますが、とんでもないことです。沖縄県民を犠牲にしたただ乗り論ではないですか。安保の矛盾は沖縄に集中しています。沖縄に行けば安保が見えます。安保を破棄しなければ、沖縄の基地問題は解決しないと思います。
 二十一世紀を迎えるにあたって、非常に複雑な思いです。二十一世紀まで生きてきたという喜びがあります。もう一つは沖縄の基地を解決しなければ死んでも死にきれないという思いです。一九四五年四月一日に米軍は沖縄に上陸しました。あれから五十五年間、ずっと沖縄に居座り続けているわけです。
 九五年二月にジョセフ・ナイの「東アジア戦略」というのが出て、九六年四月の日米共同宣言、それから新ガイドラインの策定、日の丸・君が代など国内法の立法がありました。
 着々と新しい日米関係というのが生まれつつあるわけです。冷戦構造が終結して、日米関係を見直すのではなくて、むしろ再定義して米国の覇権を支持する日本に生まれ変わろうとしています。
 昨年末、米国の元国防次官補であるアーミテージ、ナイ、キャンベルらが超党派で、日米関係を米英関係のような成熟した関係にまで高めていくべきであると、論文を発表しています。
 この論文には、「安定した日米関係を維持していくためには、韓国を含めて、基地をオーストラリアとかあちこちに分散させるべきである」というくだりがある。
 沖縄の基地を減らすことについては、これは願ってもないことです。しかし、これには、凍結していた国連平和維持軍(PKF)を使う、集団的自衛権に踏み込む、そのために憲法改正をすべきだという条件がついているんです。これは日本全体の問題です。
 日本は主権国家ですか。海岸も自由にならない、空も自由にならない。沖縄本島の二〇%が米軍基地です。全国に存在する米軍基地の七五%が沖縄に存在しています。
 安保を破棄しない限り、沖縄の基地問題は解決しない。これは、明白であります。私は二十一世紀も旗振りをしなければならんなと覚悟しております。嘉手納基地包囲も私は共同代表でやりまして、普天間基地包囲は実行委員長を務めましたが、憲法を実質化しなければ意味がない。整合性を得た解釈をして事足れりということにはならない。
 皆さんと連帯して希望のもてる二十一世紀を切り開いていきたい。命の続く限りがんばっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。


21世紀を平和と人権の世紀に

新社会党中央本部執行委員長 矢田部 理
代読 東京都本部委員長 江原 栄昭

 新年おめでとうございます。日頃の活躍に敬意を表しております。
 さて、むきだしの資本主義といわれる貧困と失業、環境破壊と地域紛争の中で、二十世紀は幕を閉じました。日本の支配階級は改憲をたくらみ、自衛隊の海外派兵を拡大し、労働者の首切りをしたい放題、そして福祉の切り捨てを強行してきました。しかし、資本主義に対抗し民主的な社会主義を再興する努力や平和に向かう流れも生まれています。こうした希望の灯火を二十一世紀は大きく燃えあがらせねばなりません。
 新社会党は不戦、非武装、安保条約の解消と自衛隊の廃止の旗を今日高く掲げることこそ二十一世紀の世界の流れに沿い、人びとの平和への願いを実現する近道であると確信しています。
 革新勢力にも安保、自衛隊をめぐって、ゆらぎがうかがえるとき、新社会党は首尾一貫した護憲の党として夏の参院選挙に勝利し、改憲阻止戦線のかなめとなる決意でございます。
 また、国鉄闘争をはじめとする反失業の闘いを広げ、福祉の切り捨てを拒みます。  どうか参院選挙においては、皆様のご支援をいただき、護憲と生活擁護の戦線において、共にスクラムを組まれますようお願いを申し上げ、貴党の旗開きへのあいさつとさせていただきます。


失政のツケが国民を直撃 政治変えるために闘おう

全林野労働組合委員長 道林 實

 皆さん、明けましておめでとうございます。
 二十一世紀は環境と人権の時代だとよくいわれます。私どもは山をつくる仕事をやっている労働組合、という理解をいただきたいと思います。
 日本で使う木材の八割は外材です。世界の「木食い虫」といわれています。コピー用紙でも、いちばんいい紙は皆さんが使っています。製紙会社はものすごくもうけています。材料は全部東南アジアとかカナダ、米国からチップで持ってきている。林業は農業と同じように、日本政府のごまかしの被害を受けたんです。
 日本の電機や自動車やいろいろな工場があれだけ外国へ行っていたら、国内の失業は当たり前じゃないですか。卒業した高校生や大学生が就職できなければ、世の中は終わりでしょう。だからといって、中年の人をリストラやればいいってものじゃない。リストラをすれば失業率が高くなるのは当たり前です。
 失政の結果として出てきたことを、何か急に出てきたようなことをいう。いいかげんにしてもらいたい。だれもが分かっていることなのに、政治がやらなかったツケが、はっきり出ているんです。
 サラリーマンは一生で一軒の家を買えるかどうかです。安い木が外国からどんどん入っているが、外材で建てた家は二十五年たてばつぶしています。国産の木は乾燥も全然違います。国産の木を使ったほうがいい、外材はだめだということを写真を撮って林野庁に見せるんですが、通産省に負けて宣伝もできないというのが実情です。
 地球温暖化防止会議(COP)では、持続的森林経営といって、それぞれの国で山を大事にしようという合意がある。昨年十一月にオランダのハーグでCOP6がありました。通産省は経済優先で見るから、森林は二酸化炭素を六%吸収するという。林野庁と環境庁は四%とという。二%はたいへんな差です。恥ずかしいですね。いかに日本が目先でやっているかが、よく分かります。
 私は北海道の北見から出てきて十年たちます。田舎でやっているときは、中央の政治家も労働組合の幹部も政党の皆さんも正しいと思っていましたが、正しいのは本当はどこか、自分で確かめないとだめだということがよく分かりました。現場を見て、現実を見て、本当のことをどう言うのか問われています。
 私どもは、皆さんとともに世の中を変えるために全力を尽くしたいと思います。
 各分野において血のにじむような努力をされている皆さんに敬意を表し、ともに闘うことを申し上げて、新年の旗開きのあいさつにさせていただきたいと思います。


アジア民衆の共同戦線を

自主・平和・民主のための広範な国民連合代表世話人、
フェリス女学院大学教授 武者小路 公秀

 明けましておめでとうございます。こんなすがすがしい気分になれる旗開きは、ほかにありません。ほかは美辞麗句のあいさつばかりですが、ここでは本当のことを話す人ばかりで、とてもホッとしました。
 広範な国民連合を代表してあいさつをさせていただきます。国民連合としては去年の十一月に、第八回全国総会を開きました。そして、そこで全国総会アピールでも、日米安保を終了させ、沖縄からそして全土から米軍基地を撤去し、自主平和外交でアジア共生の道を進もうという政治方針について話し合いました。
 米国でブッシュ政権ができたということは、この日米安保破棄ということがますます大事に、しかしますます困難になっているということです。その点では、急に電撃戦で安保を破棄させる革命でも起こせればいいんですけれども、残念ながらそれはできない状態です。塹壕戦(ざんごうせん)で根気よく塹壕を掘って、そして敵の後ろに回って攻めるような長期的な闘争が必要になると思います。そこで、山本副議長の話にもありましたけれども、アジアの諸人民との共生ということがとても大事です。
 ただ、一つ、アジアとの共生をマレーシアのマハティールさんとの共生でいいのかどうかは、若干心配もあります。マハティールさんはかなりの人民を軽視する傾向もあります。ですから、アジアと日本の労働者階級のヘゲモニーのもとで、共生をはかる。日米安保破棄の闘争を、アジアの民衆といっしょにやるということがとても大事ではないかと思います。
 二〇〇五年はバンドン会議(アジア・アフリカ会議)が開かれて五十周年になります。二〇〇五年には人民のバンドンを盛り上げていく。共同戦線をアジアの人民といっしょにつくって、そして日米の覇権をはね返す、そういう民衆のバンドンに向けて、みんなでがんばっていければいいと思います。
 皆さんといっしょに大きな夢をもっていきたいと思います。よろしくお願いします。


再販制度守り言論の自由を

日本書店商業組合連合会 丸岡 義博

 新年おめでとうございます。書店組合を代表して一言ごあいさつ申し上げます。
 私たちは再販制度維持のために、昨年十一月十七日、東京都書店商業組合として、出版再販を守るつどいを開催しました。約五百人の書店経営者が参加しました。東京都内の書店組合は、約千店ですので、半分が参加したことになります。
 この再販制度を守るのは、日本中どこの本屋でも同じ値段で本を買えるようにするためです。
 規制緩和による再販廃止は町の文化の発信地である書店をつぶすことになります。
 私たちは再販制度を存続させて、今後とも出版・表現、言論の自由をかち取っていきたい、そのように考えております。
 これが今年の書店組合の第一の考え方です。これに向けてがんばっていきますので、ぜひともご支援のほどお願いしたいと思います。ありがとうございました。