20010115

各界新春メッセージ

(2)


21世紀 国民勝利の時 確信をもって闘おう

全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部委員長 武 健一

 今年は二十世紀から二十一世紀と新たなる世紀の年です。二十世紀とは科学技術の進歩により人びとの生活を豊かにした反面、大量生産・大量消費・大量廃棄の時代でもあり、地球上の生態系を破壊した時代でもあります。米帝国主義をはじめ、一部の者による大多数の者の収奪を正当化するために国際秩序なるものが国連を利用してつくられ、「勝手に決めた彼らの民主主義国際秩序」のために、気に入らぬと平気で他国を侵略する歴史でもありました。二十世紀には人類歴史上もっとも多くの人びとが戦争被害(三億人以上)を受けた時代でもあります。
 各国における支配者と被支配者の関係は一部の者に富が集中集積する社会産業政治システムをより確かなものにするために国連を利用したり、報道関係を利用したりして人びとが真実を見つめる能力を失うための思想攻撃を、あらゆる手段を通じて実行しています。
 しかし、競争拡大再生産、市場万能論は多数の犠牲者の上に成り立っており、このことに多数者は気づくようになっています。
 すなわち、競争社会から共生・共働社会、豊かな人間性の回復を求める声であり、それはやがて資本主義そのものを変革し多数者が主人公である国づくりに突き進む声であり、力であります。
 二十一世紀の遅くない時期に団結し、行動し国民勝利の時が来ることは確実であります。
 その前兆は、昨年米大統領の選挙結果が前例になく大混乱し、発表が大幅に遅れ、米国民主主義の本質が露呈したこと。日本で保守本流を主張する自民党の加藤元幹事長が課内閣不信任に立ち上がり、政権内部の末期症状が露呈した年でもありました。
 本年は、先進国間の都合に合わせ後進国を略奪するグローバリゼーション、IT(情報技術)革命、ISO(品質保証の国際規格)の本質を暴露し、国際連帯して闘うこと。国内においては、銀行に国民の税金をつぎ込み、低金利で国民の金を銀行に移転し、銀行がゼネコンやそごうなど大企業の不良債権を放棄し、そのツケを中小企業へのコストダウン、倒産、リストラの名による労働者への解雇、賃金切り下げ。巨大な財政支出による大企業への仕事おこし、中小企業を切り捨てる。このような政治に終えんを告げ、参議院選挙で自民、保守、公明を過半数割れに追い込んで総選挙に持ち込み、政権交代を図ること。中小企業の大同団結を実現し、大手資本との取引関係の改善に労働組合が側面的に支援する運動を大きく展開する。企業別労働運動の弱点を克服し、産業別政策と行動を組織した労働運動の構築を図る年です。
 近畿地区においては、販売店・バラ輸送・圧送・骨材・ダンプの各業界において、そこで働く労働者の雇用安定と労働条件の維持向上と、業界の適正価格・取引関係の改善などに向け、着実なる成果を上げる年です。
 私たちはこの間、組織の量・質的発展をめざし三十五年の歴史を刻み込み、生コン関連業界の再構築と労働者の地位向上に多大な貢献を果たした実績があります。かっ、帝国王義の行う野蛮な略奪戦争や民衆抑圧政策と闘い、あらゆる差別や人権侵害、権力弾圧と闘いつつ、交通災害遺児救済、盲導犬育成チャリティーコンペなど多彩なる活動を展開しています。さらに中小労働運動においては、全国のモデルをつくり出しています。
 このような運動をさらに確かなものにするため、一つは、組織の量をこんにちの時代状況にふさわしく、いっきょに拡大することが求められています。今一つは、質を高めることです。実践と学習(基礎学習としての哲学、経済学、労働運動の歴史、情勢討論)によって物事の本質を見る力を身につけることです。また、私たちの運動をより早く組合員に正確に伝達するための機関紙活動が重要です。
 新年は、三十五年の歴史的運動の成果を確信をもって闘えば、まさに大きなチャンスが到来する年です。情勢は「十年が一年に圧縮する」ような激変・転換の年です。このスピードに遅れることなく、果敢に物事に挑戦し、成果を得る年として皆さんと共に闘うことを表明し、新年のあいさっとします。


福祉は国が担うもの 地域でも要求掲げ闘う

日本高齢・退職者団体連合事務局長 須藤 義美

 新年、明けましておめでとうございます。
 今年一月から医療保険が改悪され、高齢者負担の面が強く出されているが、実態は診療報酬があるので若人も負担が多くなる。従って健保加入者全体の問題である。特に患者負担が増えるのが今回の特徴だ。
 もちろん高齢者の自己負担は、七・七%が七・九%になるので増えるのは確かだが、高齢者医療の負担を定額から定率にしたのは問題がある。個人個人にとっては定額の方がよかったり、定率の方がよかったりする。また、ベッド数二百床以上は上限を五千円にし、診療所や二百床以下は上限三千円などと複雑なことをした。しかも、診療所では定額でも定率でもよいとした。しかも、その選択は診療所の判断になった。
 そのため、例えば風邪で一回診療所に行く人は、定率の方が安くなる。だが、慢性疾患の人は何回も行くので、定額の方が安くなる。しかし、定額か定率を決めるのは診療所側になるので、われわれは選ぶことが出来ない。こうした点が問題になるだろう。
 今回の負担増は、高齢者だけでなく全体の問題である。同時に高齢者に定率を導入したことで今後、高齢者二割負担にしようとする危険な面も警戒しなくてはならない。
 介護保険も導入されたことで、医療を受けている高齢者の負担は増えただろう。厚生省の調査でも「利用負担を支払うのが困難だった」としてサービスを低下させた人は一四・三%にもなっている。いずれにしても低所得者対策が必要だ。やはり福祉については国がまかなう措置制度が基本となるべきだろう。
 高退連としては、退職して辞めた人も自営だった人も含めた高齢者団体が必要だと思っている。自分たちの要求に沿って運動が出来る高齢者団体が求められており、それが地域に登場できれば力になる。
 だが、そこに行くまでにもやるべきことがある。雇用労働者が退職した時に参加できる組織にしていく努力がますます必要だ。退職した組織労働者の高退連への組織化をさらに進めたい。これは縦型の組織化となる。
 また、自営を辞めた人や職場を転々としたような人なども組織するのが、次の段階になる。つまりより所がない高齢者を組織することだが、それは地域でしか出来ない運動だ。これは横型の組織化になる。そうやって縦と横を組み合わせていくようにしたい。
 また、今年の運動だが、年金問題では国庫負担である基礎年金部分を三分の一から二分の一に増やすように求めていく。そして、医療制度の抜本的な改革を求める。この二点を重点にして、十月までに要求をまとめていく。
 それらと併せて組織拡大を共にやっていく。どうか、こらからも皆さんのご理解とご支援をお願いする。また、組織労働者の皆さんにはもっとがんばってほしい。もちろん、リストラなど大変だろうが、誰でも年をとり、高齢者となるのだから、他人事にしないでほしい。


平和・福祉の世紀に

日本大学教授・不公平な税制をただす会代表 北野 弘久

 新年、おめでとうございます。
 二十一世紀は、まさに平和・福祉の世紀でなければなりません。それは、「日本国憲法の世紀」でなければならないことを意味します。
 ムダな規制は廃止しなくてはなりませんが、中小企業、労働者、消費者などの生存権を確立するためには、大企業などの活動をむしろ規制しなくてはなりません。昨今の画一的、形式的な規制緩和論は誤りです。
 貴紙のいっそうの努力に期待します。