20001015

港の軍事利用・爆音…

米軍の横暴に抗議の闘い


 新ガイドライン・周辺事態法に沿った、米軍艦船の民間港寄港などの既成事実化が進行している。これに対し、巡洋艦ビンセンスの大阪寄港や空母キティホークの小樽寄港に、労働組合などが抗議行動を闘っている。沖縄では、嘉手納基地の爆音被害をめぐり新たな闘いも始まった。米東アジア戦略に追随した有事体制づくりを許さず、全国でさらに広範な闘いを展開しなければならない。


大阪 米巡洋艦寄港に600人が抗議

 米巡洋艦ビンセンスの大阪港入港に反対する行動が十月六日、大阪平和人権センターの呼びかけで行われ、早朝の行動にもかかわらず、六百人の労働者が参加した。
 ビンセンスは十日までの入港予定だが、寄港名目は「物資補給と乗組員の休養」とされる。しかし、横須賀港を出たばかりで「補給」とは不自然であり、新ガイドラインに基づく民間港湾の軍事利用を想定したものであることが明らかだ。
 行動では、自治労大阪市職、大阪府教組、全日建連帯労組、全港湾などからの決意表明が行われ、口々に米軍艦入港による大阪港の軍港化の危険性を訴えた。入港と同時に、労働者はいっせいに「ビンセンスは米国に帰れ」「平和な貿易港大阪港を守るぞ」など、抗議のシュプレヒコールをあげた。
 フォーリー駐日米大使は昨年十一月、「二〇〇一年初めまでに、米艦船が神戸に寄港するのが願い」と表明、以後、ルーダン米総領事らが関西各地で財界、与党議員に根回しを行っているとの情報もある。関西では大阪港に続き、米軍は神戸港への寄港を策動している。これを許さず、新ガイドライン具体化と闘う大衆行動が、全国で求められている。

沖縄 嘉手納基地の爆音被害にノー

 米軍嘉手納基地周辺住民が米軍機の爆音被害を訴えた新嘉手納爆音訴訟の原告団は九月二十七日、沖縄市内で総決起大会を開催した。これは、翌日行われた第一回口頭弁論の事前決起集会として行われたもので、三百人の原告代表が参加した。
 同訴訟の原告は、嘉手納基地周辺六市町村住民で構成され、旧原告団の約六倍に当たる五千五百四十二人。夜間・早朝の米軍機飛行差し止めと、精神的・肉体的な被害への損害賠償を求めている。
 集会では、「しずかな夜を返せ」と書かれた横断幕をバックに、次々と弁護団や原告が決意表明を行った。「子や孫のためにも静かな暮らしがほしい」「いつまで続くのか。子を持つ親として、裁判を闘う」など、幅広い人びとが自らの思いや決意を語った。弁護団長の池宮城紀夫氏は「安全という、住民の切実な願いに耳を貸さない政府は許せない」と熱烈に訴え、大きな拍手を受けた。
 最後に、「耐え難い爆音にさらされた五十年を日米両政府に問う。夜間・早朝の飛行差し止めをかち取る」など、住民の怒りを込めた大会アピールを拍手で確認。ガンバロー三唱で、大会を終えた。
 翌日の第一回口頭弁論は那覇地裁沖縄支部で開かれ、横田基地訴訟団の代表なども意見陳述を行った。裁判後行われた報告会では、意見陳述した池原仰一君(嘉手納中学一年)が「少しでも騒音がなくなってほしい。力を合わせてがんばりましょう」と呼びかけると、大きな拍手がわき起こった。


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