20001005

国民連合・大阪第8回総会
韓国の団体代表が連帯講演

日朝国交正常化の早期実現を


 六月の南北朝鮮首脳会談をきっかけに、朝鮮半島の対話と統一を求める動きは、大きく、着実に進み始めている。わが国が朝鮮民主主義人民共和国と早急に国交正常化を実現することが求められている。このような中、自主・平和・民主のための広範な国民連合・大阪の第八回総会が十月一日行われ、来日中の韓国の韓忠穆(ハン・チンモク)・民主主義民族統一全国連合(全国連合)執行委員長が記念講演を行った。


 国民連合・大阪第八回総会には会員をはじめ、労働者、農民、商業者、市民など約百人が参加した。
 総会には、辻元清美、植田むねのり、中川ともこ各衆院議員、大阪市長、吹田市長、摂津市長などからのメッセージが寄せられた。
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 韓忠穆委員長は、南北首脳会談や共同宣言の背景・意義、そしてアジア、世界への影響について触れた後、朝鮮戦争・分断の歴史・悲劇、自主的平和統一に向けた今後の展望、韓国における闘争方針について、次のように訴えた。
 「南北首脳による『六・一五共同宣言』以降、国民レベルで劇的な変化が起こっている。しかし、この流れを傷つけようとしている勢力も韓国内に存在する。金泳三・前大統領は全国を回り、そのための活動をしている。私たちは、お互いの体制を認定し、一つの国家、一つの民族を実現するための取り組みが重要だと思っている。そのため全国連合は、民主労総、市民団体、宗教団体など多くの団体を網羅(もうら)し、共同宣言を履行するための全国民的な協議機構を結成する準備を進めている。おそらくそれは守旧・反統一勢力を除外したほとんどの団体、人士が加盟したものとなる。共同宣言の履行については、全面的な支援を行い、逆に反統一勢力に対しては、どのような妥協も辞さず、徹底した闘争を展開する」。
 さらに韓委員長は「南と北が統一するために、どうしても解決しなければならない宿題がある」と続け、「それは、韓国の地を占領している駐韓米軍を撤収させる闘いだ。私は日本の沖縄にも多くの米軍が駐留しているのを知っており、沖縄の人びとと共に闘うための話し合いも行っている」と、沖縄をはじめとする日本の反基地運動にエールを送った。
 続けて、「もう一つ重要な闘争がある。今世界各地で猛威をふるっている新自由主義との闘いだ。労働者、農民の生活を圧迫し、職場から追い出してしまう現状が随所にある」「私たちは韓国で民衆が真に主人公となる世の中をつくるための闘いを進めていく」などと決意を述べた。
 最後に韓委員長は、全国連合をより拡大した新たな闘争司令部を建設する計画があること、闘争を通じてこそ、南北間の統一が正しい道に進んでいくことができることを訴え、日本国民との積極的な連帯を進めていく決意を表明した。
 集会は南北朝鮮の平和統一の動きと連帯し、わが国の朝鮮民主主義人民共和国との早期国交正常化を誓うものとなった。


【民主主義民族統一全国連合】

 九一年結成。全国農民会総連盟(全農)や韓国大学総学生会連合会(韓総連)など九団体、ソウル連合など十一の地域団体、全国民主労働組合総連盟(民主労総)など五つのオブザーバー団体で構成。(1)民衆の生存権を守り民主的改革を実現、(2)反独裁・民主勢力の総結集で民主政府を樹立、(3)朝鮮半島の平和と自主的統一を成し遂げる、(4)民族民主勢力の団結と国内外の民主勢力との連帯、を掲げる。


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