20000905

東京 防災訓練に自衛隊7100人

治安出動訓練を許すな


 「許すな! 自衛隊治安出動 九・三総合防災訓練に反対する東京東部集会」が八月三十日、東京都墨田区で開催され、労働者・市民ら五百人が結集し、集会場は官民労組の旗で埋め尽くされた。
 これは、東京都と防衛庁が九月三日に行う総合防災訓練「ビッグレスキュー東京二〇〇〇」に抗議し開催されたもの。
 本訓練は、自治体が主催する訓練としては過去最大規模で、動員される自衛隊は陸・海・空三軍で隊員七千百人、車両千百台、航空機八十機、船舶五隻と、昨年の十三倍の規模にのぼり、総予算は三億円。訓練の本質は、「防災」を口実とした、自衛隊の治安出動訓練である。
 また、東京東部地域は、この自衛隊総合訓練の会場十地区のうち、足立区舎人、荒川区白髭西、江戸川区篠崎など五会場が集中している。
 東京東部・下町地域は、一九二三年の関東大震災時に朝鮮人、中国人や労働運動・社会主義活動家が虐殺された地域であり、このような訓練がこの地域を舞台に繰り広げられることは、いやが上にも当時を思い起こさせる行為である。これに対して、東部の労働組合が立ち上がった。
 集会冒頭、労組・市民団体などで構成される実行委員会二十七団体を代表して、東京地公労東部地協があいさつ。また荒川、江戸川、葛飾、江東、墨田、足立、台東の七地区から闘争報告が行われた。ついで、在日韓国民主統一連合国際局、部落解放同盟東京都連からも、連帯のあいさつが行われた。
 集会最後には、「石原都知事による『三国人が凶悪な犯罪を繰り返している』『災害時に大騒じょう事件すら想定される』のような発言は断じて許せません。戦争への道を許さず、石原都知事の発言・行動に今後も注視し、反戦平和の道を押し進めましょう」などとするアピールを採択された。
 集会後、参加者は東水労青年女性部、東交青年部の指揮のもと、都内をデモ行進した。デモ隊は、「石原都知事糾弾」「自衛隊の治安出動訓練反対」のシュプレヒコールをあげ、都民に訴えた。
 この集会は短期間に準備されたが、東部の全地区から労働者が参加した。石原都知事の策動に対する労組・市民の反対の声がいかに大きいものであるかを実証するものとなった。


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