20000625

東京 予備校教師の会

沖縄との関係問いシンポ


 シンポジウム「沖縄問題と私たち」が六月十八日、東京で開かれた。主催は「予備校教師の会」。
 冒頭、主催者から「いま沖縄で起きている問題や私たちとの関係について、討議を深めよう」とのあいさつがあった。
 「命どぅ宝ネットワーク」の太田武二氏は、「大田前知事もサミット誘致運動を行ったが、これは基地をなくすために、沖縄の心を世界に訴えようというものだった。小渕前政権が決めたサミット誘致は、国家戦略にそって沖縄に押しつけてきたもので、まったく性格が違う」と論断した。
 さらに、戦前の歴史を振り返り、「国論が『南進論』に転じる中、沖縄を侵略の拠点にしようと、三五年には『経済振興十五カ年計画』が議会で可決された。最近の沖縄に対する『優遇』ぶりは、これを想起させる。支配層の意図を見抜かなければならない」と、注意を喚起した。
 被爆者でもあり、法政大学名誉教授の石谷行氏は、「戦前、国家神道を強制されたが、キリスト教徒でありながら反対できなかった。これを反省し、『良心的軍事費拒否』の運動に取り組んでいる」と、自らが運動にかかわった動機を述べた。また、「一人ひとりの良心のあり方として、沖縄問題も考えるべきではないか」と、提起した。
 元新聞記者である予備校講師の川本和彦氏は、「サミットは、途上国を支配するための談合」と切り出した。さらに、「サミット会場となる万国津梁(しんりょう)館の維持費は年に一億五千万円もかかり、経済的にマイナスだ。そもそも、米軍基地は日本を守るわけではなく、米国の世界戦略に基づいて存在している」と、米軍の力に依存した「平和」を拒否すべきだと訴えた。
 元東大助手で予備校講師の最首悟氏は、「時間的空間的に、朝鮮半島は遠くて近いが、沖縄は近くて遠い」と、このままでは沖縄と本土の間の「溝」は容易に埋まらないことを指摘した。
 参加者との討議では、沖縄県民の運動の底流にある精神文化にまで、活発な討議が及んだ。


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