20000615

東京 荒川日朝婦人の集い

友好強め国交回復の力に


 「日朝国交正常化交渉の再開と南北首脳会談の成功をお祝いする会」が六月二日、「荒川日朝婦人の集い」(中原純子代表世話人)主催で開かれた。これは、七年三カ月ぶりの日朝国交交渉の再開と、十三日から平壌で行われる歴史的な南北会談に向けて、その成功と期待を込めて「前祝い」をしようと、荒川区在住の在日朝鮮女性と日本女性百人が参加し行われたもの。
 開会にあたり、荒川区内に六十年近く在住している在日一世のハルモニ(おばあさん)が、一世を代表して参加者に語りかけた。
 「私は十四歳で故郷の済州島を離れ、父母と別れて日本に働きに来た。日本の植民地となった祖国では、創氏改名が強制され、朝鮮語の使用は禁止された。戦前・戦後の厳しい差別・弾圧の中を生き抜いてきたが、分断された祖国に帰ることもままならず、オモニ(母)は南で亡くなった。二十四年前から、区内で日本の女性たちと交流をはじめ、温かい友情や理解もあり、こうした集いをもてたことをうれしく思う」と、ハルモニが苦労を語ると、会場には目頭をおさえ、うなずいて聞き入る参加者も多かった。
 参加した区議会自民党、元気クラブ、市民の会の女性議員、公明党を代表した女性ら六人が紹介され、藤枝・荒川区長のメッセージも紹介された。乾杯後は、東京朝鮮歌舞団の歌と踊りをまじえ、楽しい会が始まった。
 会場には、地元町会婦人部や商店街婦人部、部落解放同盟女性部や保育園の保母たちなど、地域から多くの女性が参加し、世代を超えて懇談の輪が広がった。
 当日の料理は、それぞれが日朝の手づくり料理を持ち寄ったもので、ざっくばらんなものとなった。また、飛び入りの朝鮮民謡には参加者が踊り出すひとコマもあった。
 最後に、朝鮮民主女性同盟の荒川支部長があいさつを行った。
 「核疑惑」や「ミサイル問題」などで暗礁に乗り上げていた日朝の国交交渉だが、歴史認識や戦争責任問題も含め、日本と朝鮮半島の真の平和と友好のため、わが国の誠実な努力が求められていることを痛感させられる集いとなった。


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