20000605

ヘリ基地反対協が連続市民講座

「基地付き」の振興策は不要


 ヘリ基地反対協議会は五月二十二日、名護市内で「基地に頼らないやんばるの発展とは?」と題する市民講座を開催した。
 同講座は、普天間代替基地の移設に反対する市民世論を盛り上げるため、昨年から連続して行っているもの。今回は四回目で、現地住民や労働組合員など約百人が参加した。
 来間泰男・沖縄国際大教授が講師をつとめ、政府が行う「北部振興策」を批判した。
 来間氏は、「振興策は普天間基地の辺野古周辺への移転との引き換えであり、極めて不純な動機で行われている。しかし、それには知らぬ振りをして、振興策だけを受け入れようとする立場の人もいる。振興策は本来、基地と無関係に取り組まれるべきものだ」と批判。「基地はいらないのであり、引き換えの振興策もお断りすべきである」と断言した。
 さらに、「振興策は、内容よりも先に金額が決まっているという不思議なもの」と述べた。北部十二市町村が提出している振興事業については、「検討なしにとりあえず要望したというものばかりで、ハコ物が中心だ。稲嶺県政のいう『軍民共用空港』を活用するようなものですらない」と暴露した。「基地受け入れとの引き換えの振興策要求が、本土からどう見られるだろうか。基地のない県南部市町村との間の矛盾も避けられない」「基地撤去を要求すべきで、基地の代わりに何かをしろというのは、話が逆だ」などとも指摘した。
 氏は最後に、「農林水産業や商工業という既存の産業については、何ら振興策がない。北部に限らないが、農林水産業や商工業が成立する基本政策を要求すべきだ」とまとめた。
 参加者には、基地に頼らない、地域経済のあり方を考える機会となった。
 また、環境問題の視点から、基地に反対する声も広がっている。沖縄生物学会は二十一日、西原町内でシンポジウム「沖縄島のジュゴンの生息環境」を開き、約百人が参加した。
 シンポでは、ジュゴンネットワークの細川太郎氏が発言、ジュゴン生息域である辺野古沿岸が基地移設候補地となっていることについて、「保護の大きな障害になる」と訴えた。
 また、同学会総会では、「沖縄島北部地域におけるヘリパッドおよび新空港建設計画に対する反対決議」が、全会一致で採択された。


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