20000525

党大阪府委員会

大銀行だけ増税せよ


 日本労働党大阪府委員会(吉沢章司委員長)は五月十九日、府議会が導入を検討している大手銀行に対する外形標準課税に関し、太田府知事と府議会に申し入れを行った。その要旨を紹介する。


外形標準課税に関する府などへの申し入れ

一、三月府議会において、大手銀行に法人事業税をかける際に外形標準課税を導入する条例が提案されています。
 七十兆円もの血税を投入され、数々の優遇税制を受けている大銀行への増税は道理があり、その限りで支持できます。

一、私たちはもとより、全業種への外形標準課税は、断固その導入を阻止すべきであると考えます。
 現在、赤字法人約百六十万の九九%は中小法人です。したがって、全業種に一律に外形標準課税が導入されるとしたら、大多数の中小企業に増税となることは明らかです。
 外形標準課税導入を、地方税収安定の見地から歓迎する声が一部にあります。
 しかし、黒字法人は大都市圏に、赤字法人は地方に多いのが現状です。したがって地方では、中小企業の経営は深刻化し、地域経済にも影響が出ます。
 また、地方自治体の課税自主権の見地から、外形標準課税導入に賛成する意見があります。われわれも一般的には、財政権限を地方自治体が中央政府から奪い返すことに賛成です。
 しかし、中小企業または地域に働く人びとを増税で苦しめ、大企業を減税で優遇し、何のための課税自主権であるのか、これこそが重要です。
 全業種への外形標準課税には反対の態度を鮮明にすることを要請します。
一、外形標準課税が浮上してきた背景は、中央及び地方が抱える財政危機が深刻なものとなり、解決を迫られているということです。
 しかし、誰が財政を危機に追い込んだのかが、問われねばなりません。
 四兆円を超える府債務残高を抱える府財政「危機」の原因は、予算の使われ方にあったのです。これまでの府政は、バブル崩壊後もぼう大な借金をして、関西国際空港関連整備など、大規模公共事業に財政をそそぎ込みました。
 府財政が、大阪に住み、働く府民の経営・暮らしの確保と向上のために使われているか否かこそ、大事な問題です。
 二〇〇〇年度予算では、府立高校授業料の引き上げ、老人医療費の切り捨て、市町村への補助金削減など、弱いものに財政負担を押しつけながら、他方、関空二期事業関連や北部丘陵部の開発など、大企業のための巨大開発にぼう大な財政が発動されることとなりました。このままでは、何のための「大銀行への新たな課税」なのか不明朗となります。
 最近の統計発表では、近畿の完全失業率は六・〇%、有効求人倍率は〇・四六倍と、全国比でも最悪の数値を示しています。
 新たな課税での抜本的な不況対策、大多数の府民の活力を呼び戻す施策を行うことを要請します。


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