佐世保など基地の現状を告発

20000515

長崎　佐世保など基地の現状を告発

嘉手基地包囲行動成功を

沖縄と連帯する闘い全国で

　普天間基地の名護市移転など、沖縄県民がさらなる基地負担を受けることに対し、県民の怒りと闘いが強まっている。沖縄サミットにあわせて取り組まれる嘉手納基地包囲行動は七月二十日と決定した。それと連帯する全国での運動、とりわけ、同じく米軍基地をかかえる県・地域での連携した闘いは重要である。この間も、長崎、福岡、神奈川などで沖縄現地と連帯する開かれており、この動きをさらに幅広く、全国で展開することが求められている。

　「第一回沖縄・長崎連帯集会」が四月二十九日、長崎市内で開かれた。本集会は、労働組合、自主・平和・民主のための広範な国民連合・長崎、平和運動に取り組む市民団体、政党など、幅広い団体による実行委員会によって準備が進められてきたもの。
　長崎ではこれまでにも、九五年の少女暴行事件をきっかけに、「沖縄・佐世保の声を！　長崎集会」「教えられなかった戦争（沖縄編）」上映会など、沖縄と連帯する取り組みを行い、成功させてきた。今回は、取り組みをさらに第二回、三回と発展させ、沖縄と長崎、全国との連帯を大きく広げようという意味から、第一回としたという。
　当日は連休初日にもかかわらず、労働組合、部落解放同盟、日本婦人会議、社民党、被爆者、市民運動などの平和団体、学生など、約百六十人の参加があった。
　集会は、長崎総合科学大学に在籍する沖縄出身学生らによる、エイサーの勇壮な踊りで始まった。
　講演に立った高良鉄美氏（琉球大学教授）は、「森首相は沖縄は日の丸・君が代を拒否しており、共産主義の支配するところだなどと発言した。しかし、沖縄の闘いは反対のための反対ではなく、理由がある」と、政府の姿勢を批判した。続けて、「何よりも、沖縄県民の基本的人権が踏みにじられてきた歴史があり、沖縄の闘いは、それを闘い取るためのものだ」と述べた。
　軍事問題を研究する篠崎正人氏が佐世保からの報告を行い、「七二年の沖縄の本土復帰当日にも、米艦船が長崎港に入港している」など、沖縄と長崎の深いかかわりについてふれた。また、「佐世保の弾薬庫移転や、エアクッション型揚陸艇（ＬＣＡＣ）暫定駐機場の西海町への移転は、普天間基地の名護移転と同じく、基地機能の強化とみるべきだ」と訴えた。
　ＬＣＡＣ移転で揺れる西海町からは、農民の津田貢氏がかけつけ、「町おこしを始めている矢先に、この問題がもち上がった。静かな町と自然を守らなければと闘っている」と、現地の闘いを報告した。さらに、「議会特別委員会で反対請願が可決されたにもかかわらず、町長派の根回しで、本会議では一転否決された」と、住民意思とかけ離れた議会の実態に、怒りをあらわにした。
　集会の最後に、沖縄との連帯を確認するアピールを採択した。

長崎�沖縄連帯集会アピール（要旨）

　沖縄の人びとは、九六年の県民投票、九七年の名護市民投票で、米軍基地の縮小、県内移設反対の意思を明確に示しました。さらに振興開発とひき換えに名護市への米軍基地を受け入れるよう迫っている問題で、反対の県民集会を開き、その意思を行動で示しています。
　米軍基地が港の中枢を占める佐世保も、沖縄と同様の状況におかれています。多くの住民や漁民の不安と反対の声にもかかわらず、「移転」の名目で西海町横瀬に新たにＬＣＡＣの基地が建設されようとしています。前畑弾薬庫の針尾移転計画が進められています。
　沖縄では、労組や民主団体が嘉手納基地を包囲する「人間の鎖」が予定されています。私たちは、その願いと行動に心から連帯します。
　私たちは被爆地長崎で、今日の集会を一つの契機に、米軍基地の縮小・撤去を求め、沖縄県民をはじめ各地の声に連帯し、継続的でねばり強い運動を大きく広げていくことを訴えます。