20000425

石原都知事の「三国人」「自衛隊治安出動訓練」の暴言を糾弾し、その撤回と謝罪、都知事辞任を求める世論と運動を盛り上げよう

党東京都委員会


 日本労働党東京都委員会(秋山秀男委員長)は四月二十四日、石原都知事の「三国人」「自衛隊治安出動訓練」などの暴言に対し、声明を発表し、都知事に申し入れを行った。声明の要旨を紹介する。


石原発言への声明(要旨)

一、石原東京都知事が四月九日、陸上自衛隊の「創隊記念式典」で行った「三国人」「自衛隊の治安出動訓練」の暴言は、アジアをべっ視し、露骨な民族排外主義、民族差別をあおり、極めて悪質である。
 石原知事は、在日外国人を潜在的犯罪者と見なし、「九月三日に東京を大災害から守るため陸海空三軍による大演習を行う」と発言した。この発言は、関東大震災(一九二三年)の時の在日朝鮮人・中国人、および社会主義者などに対する官憲・自警団による虐殺を想起させる。
 石原知事は、自衛隊が近い将来、「治安出動」部隊として、つまり支配階級の指揮に従わない国民、人民の抵抗・闘争を武力で鎮圧する暴力装置としての役割を立派に果たすようになることを訴えている。
 今回の石原知事の暴言は、確かに「時代錯誤」的にみえる。石原都知事は、広範な国民の中にある「時代閉塞」の感情、また政治の現状に対する根深い不満と不信、怒りを、民族排外主義をあおることによって、反動的に結集することを狙っている。また、冷戦後の世界は、再分割・再編の争いが激しく演じられているが、石原発言はわが国支配層の政治・軍事大国化の思想政治面で先兵としての役割を果たすものであり、極めて今日的であることに注目すべきである。
 石原発言は、わが国とアジア諸国・民族との自主、平和、民主、互恵平等の関係を阻害するものであり、その意味でわが国の真の国益に反する非常に有害なものである。
 日本労働党東京都委員会は、広範な都民の皆さんが立ち上がり、暴言の撤回と謝罪、都知事の辞任を求めて、世論と運動を盛り上げることを訴えるものです。

一、石原都知事の発言は偶然ではないし、またいま始まったものでもない。彼は「確信犯」である。
 石原発言は、「自由主義史観」を標榜(ひょうぼう)する一握りの学者・文化人や政・財界人による、一連の歴史改ざんの組織的な動きの一部であり、それを助長するものである。
 事実に基づく、正しい「歴史認識」を闘いとることは、アジアの共生、独立・自主、国際民主主義、平和の新しい国の進路を実現する上からも重要であり、この課題は私たちの手にゆだねられている。
 
一、彼らの政治的狙いは、「冷戦後の最大の脅威は中国である」(石原都知事)と中国敵視をあおり、わが国を「アジアの盟主」に仕立てることである。
 石原都知事は、「米国に従って日本が台湾を無為に放棄したら、それは日本の、中国への属国化へと傾斜する大きな歴史的な失策になる」などと発言している(「諸君」二〇〇〇年三月号)。続けて、「日本は『金融資産』の力をうまく使って、中国の国内分裂を加速させることができる。分裂させなければいけない」などと驚くべき中国敵視発言を行っている。
 これはれっきとした中国に対する内政干渉であり、脅しである。これはまた、石原都知事がいかに「反米」を唱えようとも、米国の東アジア戦略構想に基づく対中関与政策を客観的には助けるものである。わが国政府もまた、「日米安保共同宣言」にみられるように、米国に追随し中国敵視をやっている。
 私たち労働党都委員会は、こうした米日反動のアジアへの支配、干渉に反対して、アジアの共生、独立・自主、平和の新しい国の進路を求めて闘う。都民の皆さんが共に闘うことを訴えます。


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