20000415

大阪 「南京大虐殺否定」に反撃

400人が歴史歪曲に抗議


 「南京大虐殺が日本に問いかけるもの―『ピースおおさか』の姿勢をただす」集会が四月八日、大阪市のピース大阪で開催された。この集会は、右翼団体が一月二十三日に、南京大虐殺を否定する集会を同会場で開催したことに抗議して行われたもので、大阪府下三十六の平和運動団体による実行委員会が主催したもの。当日は、平和を愛する多くの市民がつめかけ、四百人を超える参加者で熱気あふれるものとなった。
 開会にあたり、ピースおおさか市民ネット代表の岩井貞夫氏が、「私たちは、南京大虐殺を否定する集会の開催が発覚した時点から、繰り返し抗議をし、申し入れを行ってきた。しかし、ピースおおさかは耳を傾けなかった。侵略の被害を受け、半世紀を経ても苦しんでいる人びとがいる。歴史を改ざんしようとしていることに対し、人間として許せない思いだ。いま、ハッキリと謝罪することが必要だ。ピースおおさかがよりよいものになるよう、お互いがんばろう」とあいさつした。
 講演を行った吉田裕氏(一橋大学教授、南京事件調査会研究会)は、否定論者の言い分をていねいに論破しながら、否定論者が活動する理由について明らかにした。
 「すでに多くの国民があの戦争を侵略と認め、政府の正式見解もまた、南京大虐殺を事実として認めている。これらに対し、否定論者が屈折した挫折感で攻撃的になっている。また、南京大虐殺はなかったという資料はない」などと述べた。
 続いて、反動集会に対する日本、中国での連日の怒りの抗議行動のもようがビデオで上映され、あらためて、中国人民の怒り、悲しみの深さを確認することとなった。

南京代表も怒りの告発

 特別報告として、南京市の南京大虐殺記念館館長の朱成山氏が発言した。
 「昨年十二月、ピースおおさかで開催された戦争責任を問う国際シンポジウムに参加し、多くの日本市民が参加していることがうれしかった。歴史に責任をもつ日本人に、敬意を感じた。四カ月後、再びこのピースおおさかに来て、一月の『反動集会』に対しての中国人民の怒りを報告しなければならない。今、ここに立っていると、怒りしか感じない。これは、被害者である中国人民、南京市民の怒りの声である」と述べた。
 さらに、中国国内の声を紹介し、「『反動集会』は南京市民には、大きな爆弾が落ちたのと同じくらいの意味がある。抗議は中国各地、米国、シンガポールでも起こり、南京に伝わると怒りは頂点に達した。南京の人びとは、街頭で、いたところでこのことを話題にした。学生も教師も、あらゆる団体が抗議した。心から謝罪すれば、寛大な許しが得られる。しかし、『否定』することは新たな犯罪を起こすことである」と、終始怒りをあらわに発言した。朱氏はまた、南京市民を代表して、ピースおおさかに抗議文を提出した。
 集会は、各界から四人の発言、山中紀代子府議会議員の報告、関西中国人留学生連絡会からのメッセージ紹介が行われた。最後に、歴史のわい曲を許さず、運動を強めるという決議文を採択して閉会した。


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