20000415

大阪 大田前知事が講演

平和な沖縄を語る


 「大田昌秀前沖縄県知事〜沖縄の心と夢を語る」と題する講演会が四月六日、沖縄市と姉妹都市である大阪府豊中市で労働者、市民約五百人が参加し、行われた。主催は、自治労豊中市職など十四の労働組合からなる豊中市労働組合連合会。豊中市、同国際交流協会などが後援した。
 冒頭、主催者を代表して豊中市労連の山本修委員長は、「豊中市は沖縄市と姉妹都市であり、さまざまな交流、取り組みをしてきた。沖縄では、戦争の体験をいかして、さまざまな平和に向けた取り組みが行われている。私たちも沖縄の取り組みに学び、今日の講演会を生かしていきたいと思う」と、あいさつを行った。
 講演に立った大田昌秀前沖縄県知事は、最初に沖縄の歴史、県民性などを簡潔に紹介し、「平和、共生、自立」を基礎に県政を運営してきたことを振り返った。また、周辺事態法について、沖縄戦で「捨て石」にされた歴史や自らの経験から、有事体制の危険性をわかりやすく指摘した。
 そして、沖縄の米軍基地問題や思いやり予算について、対米従属の政府を、米軍基地を追い出したかつてのフィリピン政府とも比較しながら、強く批判した。また、普天間飛行場の県内移設についても、「関西国際空港並みの基地をつくろうとしている。日米ゼネコンの利害から海上基地が選定されようとしている」ことを、米軍の資料も紹介しながら明らかにした。
 さらに、データをもとに、基地返還を実現すれば跡地利用で十倍の雇用の確保が可能なことを説明し、基地のない平和な沖縄の実現への支援を強く参加者に訴えた。
 労働組合が地域住民に呼びかけて取り組んだ今回の講演会は、意義あるものとなった。


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