20000325

東京 沖縄と連帯、4000人が結集

名護に新たな基地をつくらせない


 名護市への普天間基地移設問題に反対する沖縄の闘いは、引き続き粘り強く闘われている。こうした中、東京で沖縄の闘いに連帯する四千人規模の集会が開催された。関西でも、四月二日に京都で集会が予定されている。より幅広く、全国的な闘いをまき起こすことが求められている。


 「沖縄・名護に新たな米軍基地をつくらせない大集会」が三月十七日、東京で開催され、約四千人の労働者・市民が参加した。主催は、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック、全労協、自主・平和・民主のための広範な国民連合などが参加する集会実行委員会。
 主催者あいさつに立った大津健一氏(日本キリスト教協議会総幹事)は、「政府は米軍基地の七五%を沖縄に押しつけ、いままた新たな基地を建設しようとしている。これは沖縄だけの問題ではなく、日本人全体の問題だ。すべての基地を撤去し、安心して暮らせる国にするため、政府に基地はいらないという声を突きつけよう」と呼びかけた。
 島袋宗康氏(参議院議員、沖縄社会大衆党委員長)らが来賓あいさつを行い、島袋氏は「住民の基地反対の意思は、名護市民投票で明らかだ。稲嶺知事のいう『十五年期限』は、米国に明確に否定されている。市長リコール運動などへの物心両面の支援をお願いする」などと訴えた。
 金城睦氏(沖縄から基地をなくし世界の平和を求める市民連絡会代表)と東恩納琢磨氏(二見以北十区の会代表代行)が、沖縄からの訴えを行った(別掲)。
 連帯アピールでは、花輪伸一氏(世界自然保護基金日本委員会自然保護室次長)が「辺野古にはジュゴンがすむすばらしいサンゴ礁がある。この場所に基地をつくらせてはならない」と発言した。
 門間幸枝氏(カトリック正義と平和協議会)は「名護の老人は『子供のため、人柱になっても阻止する』と言っている。私たちも一筋の光となって、平和への道を照らそう」と呼びかけた。
 藤崎良三氏(全労協議長)は、「春闘、反リストラの闘いの中、本集会に合流している。沖縄の基地機能強化・固定化に反対し、共に闘う」と決意表明した。
 さらに「沖縄の人びとに激しい憤りが広がっているのは当然であり、現地・名護では粘り強い抵抗が続いています。私たちは、日本政府の姿勢に激しく怒っています。私たちは、政府の米軍基地新設政策を変えさせようと思います」などとする集会アピールを採択した。最後に全体でシュプレヒコールを行い、デモ行進した。
 なお、労働党中央委員会と東京都委員会、労働青年団は、参加者を激励するビラ宣伝を行った。

 翌十八日には、「沖縄と私たち 平和をつくる市民大交流会」が東京で開かれた。主催は、首都圏の市民団体による実行委員会。
 交流会には約百人が参加し、沖縄から真喜志好一氏(SACO合意を究明する県民会議)、東恩納琢磨氏(二見以北十区の会代表代行)が発言、分科会討論などが行われた。


市民の意思ははっきりノー
ヘリ基地いらない二見以北十区の会代表代行・東恩納 琢磨氏


 私が住んでいる辺野古は、名護市の東海岸の過疎地だ。ここをヘリ基地移設候補地とすることは、二年前の名護市民投票ではっきりノーと答えが出ている。しかし政府と県は、また同じことをしようとしている。
 先日、住民千四十人分の反対署名を持参し、市に「なぜ予定地がここなのか」と説明を求めた。しかし、市長は来てもくれないし、会ってもくれない。
 弱い地域に基地を押しつけようという発想は許せないが、現在のところ、「遠い地方のことだから」と、知らない人もいるのが実際だ。これを自分のことと思い広げることが、大人の責任だと思う。
 辺野古は絶滅寸前のジュゴンがすみ、マングローブなどの緑が豊かな地域だ。これを破壊することは地球に対しての罪でもある。
 ジュゴンと共に暮らせる地域づくりを進めるためにも、ジュゴン保護基金をつくりたい。皆さんの協力をお願いしたい。


グローバル安保に反撃を
沖縄から基地をなくし世界の平和を求める市民連絡会代表、弁護士・金城睦氏


 沖縄はいま、基地移設とサミットで巨大なルツボの中に放り込まれたようだ。県議会は、SACO(沖縄特別行動委員会)で県内移設が合意された時、全会一致で反対決議をした。しかし日米両政府は、あらゆる手段で沖縄を懐柔しようとしている。
 サミットは、世界の帝国主義諸国の会議にほかならず、これを名護で開く意図は見えすいている。つまり、基地を固定化し、グローバルに展開する日米安保体制の拠点にしようというものだ。
 こうした邪悪な意図に平和、人権擁護の願いを対置し実現する運動を起こしていこう。また、サミット中には嘉手納基地包囲行動も予定されている。
 大国の戦争政策を二十一世紀には継続させず、文化・芸術や人間の尊厳を守る豊かな社会をめざしていこう。心と正義はわれわれにある。勝利するまでがんばろう。


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