20000215

大阪 右翼が南京大虐殺否定集会

歴史わい曲許さぬ闘いを


 「戦争資料の偏向を正す会」主催による「二十世紀最大のウソ・南京大虐殺の徹底検証」が一月二十三日、大阪の「ピースおおさか」で強行開催された。
 集会には右翼が約三百人を動員。講師の東中野修道・亜細亜大教授らは「三七年の南京陥落後に埋葬された死者は、約一万五千人だった」などと強弁した。
 一方、集会に反対する市民団体など約二百人は「南京市民に謝罪せよ」と、抗議行動を行った。中国政府も「日本軍国主義による対中侵略の歴史にどう対処するかは、日本政府に中日関係の政治的基礎を守る誠意があるかを測る試金石」などと非難し、日中間の問題に発展している。
 南京でも、被害者・遺族による集会が行われ、「歴史の事実をわい曲し、多くの遺族を悲しませる言論も許されるべきなのか」などと抗議した。
 ピースおおさか(大阪国際平和センター)は、大阪府と大阪市が共同出資し、平和の発信センターを設立理念としている。自民党、右翼勢力は九六年以来、これに系統的な攻撃を行っており、今回の開催もセンターの理念を空洞化させようとする攻撃の一環である。侵略の歴史をわい曲する動きを許さない、広範な運動が求められている。


会場は設立理念に立ち返れ
浅田 義信・関西日中交流懇談会副会長

 集会は「徹底検証」というテーマになっているが、「南京大虐殺が二十世紀最大のウソ」などと、科学的な検証抜きで言えるのか。
 さらに、ピースおおさかは平和の発信センターとして府民に認識され、誇りにしている場所である。そのような場所で、このような集会がもたれることが問題だ。
 以前の映画「プライド」の上映会の時も今回も、彼らは他の会場を探さず、意図的にピースおおさかをねらって開催している。なぜ、ここでなければならないのか。なにがなんでもここで行って、平和の発信センターであるピースおおさかをつぶそうという意図は明らかだ。
 私たちは、開催が明らかになってから数回、大阪府、大阪市、ピースおおさか事務局に申し入れを行った。全国からも約百通の抗議文、申し入れ、FAXが寄せられた。
 しかし、行政やピースおおさか事務局は、「言論の自由」「公共の場所」ということで言い逃れをしてる。だが、ピースおおさかは普通の会場ではなく、平和の発信センターという設置理念をもっており、単なる公会堂などとは性格が異なる。「平和の発信センター」という本来の設置理念に戻るべきだ。
 これに反撃するためにも、四月八日に、「南京大虐殺が日本に問うもの〜ピースおおさかの責任を糾(ただ)す」というシンポジウムを開く予定だ


経過

・96年10月:参議院自民党が「全国の戦争博物館に関する調査報告書」で、ピースおおさかが「特定のイデオロギーの宣伝活動拠点となっている」などと批判。
・97年3月:「戦争資料の偏向を正す会」(青木匠代表)結成。
・98年4月:「正す会」がピースおおさかの「一時閉館」など要求。
・99年3月:「正す会」がピースおおさかで映画「プライド」の上映会を強行。
・11月23日:「正す会」が東中野修道氏の講演会を開催するとの申請書を提出。
・12月11〜12日:ピースおおさかで「'99国際市民フォーラムinおおさか」が開かれ、歴史わい曲を許さぬことを確認。この間、右翼の街宣車約50台が殺到。
・2000年1月14日:村岡久平・日中友好協会全国本部理事長が抗議談話を発表。
・1月17日:自主・平和・民主のための広範な国民連合・大阪が、大阪府知事・大阪市長などに対し、日中平和友好条約を守ることなどを申し入れ。
・1月18日:中国外務省の朱報道局長が、日本政府に「有力な措置をとり、事態の拡大を防ぐ」よう求めることを表明。
・1月23日:「20世紀最大のウソ・南京大虐殺の徹底検証」が強行開催される。


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