20000125

沖縄 岸本・名護市長が基地受け入れ
反撃の闘いに全国から連帯を


 沖縄の普天間基地移設問題で、岸本建男名護市長は十二月二十七日、代替ヘリ基地の名護市内への移設を受け入れると表明した。九七年の市民投票で基地を拒否した市民意思を踏みにじる暴挙であり、沖縄ではすぐさま反撃の闘いが始まっている。これに呼応し、闘いを全国で発展させなければならない。安保破棄、米軍基地撤去、県内移設阻止の国民的運動をつくり出そう。


 岸本市長は受け入れ表明に際し、基地使用協定の締結や北部地域の振興策を「条件」としているが、稲嶺県知事が当選時に公約した「十五年の期限」について、米国や政府は受け入れを拒否している。岸本市長の表明は、基地計画や工法などがまったく明らかでないままの、国への「白紙委任」であり、市民投票で基地反対を意思表示した名護市民への裏切りである。
 この暴挙に対し、名護市議会の「基地建設に断固反対する市議会議員有志」(宮城康博氏ら十人)は「主権者である市民の意思に背を向け、事を進めていく受け入れ表明は言語道断」などとする抗議声明を発表、ヘリ基地反対協議会は、岸本市長の解職請求(リコール)運動を始める方針を決定、一月下旬にも署名集めを開始する。連合沖縄(玉城清会長)も、「基地を沖縄に集中させて県民に負担を強いるものであり、基地問題の解決にはならない。」とのコメントを発表した。また、政党も「政府にNOと言えない市長は市民からNOを突きつけられるだろう」(新垣善春・社民党沖縄県連委員長)、「沖縄にまた一つ『屈辱』が加わった」(新垣重雄・社大党書記長)などと述べた。
 翌二十八日、ヘリ基地反対協主催の市民大会が名護市役所前広場で開かれた。大会には四百五十人が参加し、市長の受け入れ表明に怒りをぶつけた。
 主催者を代表し、安次富浩・ヘリ基地反対協共同代表は「市民投票で示した、平和を願う市民の思いを、市長は裏切った」と痛烈に批判した。佐久川政一・基地の県内移設に反対する県民会議共同代表(沖縄大学教授)は「市長の基地受け入れ理由には説得力がない。政府に白紙委任状を与えたようなものだ」などと述べた。玉城義和・沖縄県議は「これで決着ではなく、これからが出発点だ。政府のシナリオは机上の話で、これからは私たちが舞台を回そう」などと訴えた。
 さらに、地元住民が次々に登壇、「試練が起こるたびに私たちは強くなり、団結の心も強くなる」「子どもへのお年玉は基地であってはいけない」「名護から立派な民主主義をつくろう」など、口々に運動の強化を誓いあった。
 参加者は大会後、三千枚のチラシを配布し、市民に市長のリコールを呼びかけた。


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