20000125

新年旗開き来賓あいさつ


沖縄・本土の連携した闘いを
名護市、沖縄県あげて基地の移設に反対する
玉城 義和・沖縄県議

 二〇〇〇年の労働党旗開き、おめでとうございます。また、日頃から私ども沖縄の闘いに、労働党の皆さんがいろいろな所で大変重要な役割を果たしていること、ご指導いただいていることに感謝申し上げたいと思います。
 九五年に少女暴行事件が起きましたが、これは県民ぐるみの闘いにしようと考えた。一〇・二一の県民大会実行委員会には七百団体が参加し、文字通り超党派でできた。この大会が、沖縄の基地問題を本土の人びとに新しく知らせる契機になった。
 また当時の大田知事が不退転の決意で代理署名を拒否し、これらが相乗効果を発揮した。それで沖縄を放置しておけば、大変だ。このままでは日米安保に傷がつくと一番心配したのが米国だった。
 しかし、日本政府は、頭越しに名護市に海上ヘリ基地をつくると決定した。
 われわれは、これに対して九七年十二月二十一日に市民投票を行った。二千三百くらいの差で反対派が勝った。その時は、防衛施設庁・防衛庁をあげて、日本政府の出張所が名護に乗り込み、さらに、雨あられのように振興策がドンドン投げつけられてきた。われわれは、こうした振興策で気持ちは売らないということで市民投票は勝利した。
 ところが、その後市長がこれをひっくり返す形で受諾し、辞任してしまう。その市民投票後の市長選挙は大変な選挙だった。労働党の皆さんにも名護にまで来ていただいた。出馬した私の責任も感じていますが、千票ちょっとの差で負けてしまった。
 これまでは、沖縄ではどの市町村でも保革を問わず、基地はいらないということだった。ところが、変化してきたのは、政府が基地を受け入れるところは手厚く振興策を行うといって現地を慣らそうとしていることだ。今度の沖縄県知事が普天間基地の代替を受け入れ、名護市長が受け入れるということは、つまり、日本政府は直接手をくださない形をとっている。皆さん沖縄の現地同士でやってくださいというわけだ。
 一〇・二一大会の経験でいえば、沖縄のような小さなものが米国や日本政府と闘うわけですから、小さなものは団結していかなければ勝負にならない。そして少しでも原則を崩すと足元をすくわれてしまう。
 こういう流れをへてきて、名護市はヘリ基地反対協を置いて、絶対に基地はつくらせないとがんばっている。それと呼応するように、県内に基地の移設を許さない県民会議をつくった。かつて復帰前に沖縄県祖国復帰協議会があったが、これににならって、統一戦線的な組織にしたいと思っている。それをもっと強化し、基地の県内移設をどこでも許さない機動性のある運動体にしたい。
もう一つは、名護市長が辞任する動きがある。それはサミット頃の市長選挙を阻止するために先手を打とうというものだ。しかし、われわれは、リコール運動を進め、強力な政治対抗軸をつくりたいと考えている。

沖縄の問題は日本全体の課題

 先ほどの大隈議長との話と関連しますが、ぜひ皆さんにお願いしたいことは、本来基地問題は米国と日本の基本をなす問題だ。基地の移設問題は外交という一級の政治問題だと思う。日本全体で考えるべき問題を沖縄県という小さな県に降ろしている。県知事が苦渋の選択だとか、名護市長が一生で一番大変だったとかいうが、それでよいのか。
 私どもは地元ですから、地元が第一義的に闘う。県内の基地のたらい回しはさせない、ということで地元に防波堤を立ててきっちり闘います。先ほど申しましたように、県民会議をつくっていて運動を進めます。
 昔は復帰協があったころ沖縄連という復帰協と対応する組織が東京にも大阪にもあった。そういう意味で全国化させる上で、安保賛成は、日米友好ではなくて、基地がつくということをたくさんの人びとに知ってもらうことだ。
 何とかして、広範な国民戦線をつくらないといつまでも沖縄だけの問題となる。米軍基地という危険なものは沖縄にもっていけと思っている人がいる限り、日本の問題にならない。
 私ども沖縄ではきっちり闘いを組むので、労働党を中心に本土の各地で広範な戦線をつくっていただきたい。そして、沖縄と本土で連携した闘いをつくるようにしたい。


平和と民主主義を守ろう
自主・平和・民主のための広範な国民連合 代表世話人  槙枝 元文

 皆さん、あけましておめでとうございます。
 私は、国民連合の代表世話人になっていますが、今日お話にありましたように、国民連合が、沖縄の問題において本土で窓口をつくって、提携しがんばるようにもっていきたいと常々考えております。
 昨年、自自公連立によって、さまざまな施策がやられたが、これは日本を大きくひん曲げていく土台づくりをしたと思う。今度、憲法調査会も設置されたが、ここではねじ曲げていこうとする方針にあわせた憲法に変えていこうとするのが、彼らの本心だと思う。けれども日本の方向を、平和と民主主義を守っていく憲法を方向を大きく変えていくことには、断固として闘っていかなければならないと思う。
 私も、現在いまだに社民党の党員としてがんばっております。しかし、今の社民党の基本政策には納得のいかない点が多々あるわけで、護憲の党ならば、それにふさわしい基本政策でなければならない。安保を堅持して、あるいは維持をして、自衛隊を容認して護憲とは言えないわけで。この点につきましては、何としても次の運動方針で変えさせると、心に決めてがんばっておるところです。今日の話にありました、今年の総選挙は大切で、その後三、四年はそれで続くわけですから。その間に憲法議論がされるわけですから、それに対抗しうる政党をつくらなければならないわけです。
 そこで今の社民党の基本政策を根本的に変えて、生まれ変わった社民党として国民の支持を得られるようにしたい。一度支持を失ったのは難しいが、それを取り戻すだけのものにしてかからなければならないということです。
 こうしてあらゆる所で日本の方向、今憲法で定められた平和と民主主義を守り抜くために、今後ともがんばっていきたい。


学んだものを活かして闘う
日本教職員組合組織共闘部長 山根 基嗣

 日本労働党の旗開き、本当におめでとうございます。
 今日、日本労働党の大隈議長さんが話したことは、私自身は広島県ですので、ストーンと落ちました。私自身は日教組として、広島県人として、やはり共闘関係を広げていきたい。
 しかし、日教組という大きな枠の中では、社民党といかに模索しながらやっていかないければならない部分もあるし、民主党と連携しながらやっていく部分もあります。
 今日の大隈議長の演説では、国内情勢になるとトーンが段々あがりました。やはり労働組合、労働運動で培こうたものだと思います。
 私としても、今日の演説を学んでから帰りたい。


ILO勧告生かし闘争勝利へ
国労闘争団  田島 省三

 私たちの解雇撤回、JR復帰を求める闘いも間もなく丸十三年という大変長い闘いになっています。私は八七年の二月十六日に、忘れもしませんけれども現場長から「あなたにはJRから採用通知が来ていません」という、そのたった一言でJR不採用にされました。
 全国の労働委員会は、本当に勇気をもって見識のある判断、差別の責任はJRが負うんだと明確な判断をしました。
 ところが、東京地裁は一昨年の五月二十八日、この労働委員会の救済命令を一辺でひっくり返す不当な判決を下しました。だが、昨年十一月十八日に国際労働機関(ILO)が日本政府あるいはJR、そして裁判所に大変厳しい勧告を出してくれました。日本政府、国鉄、JRがぐるになってやってきた不当労働行為が、こういう国際的な場ではとうてい通用しないということが、今回ILOで明らかになった。
 私たちは、この勧告を活用し、大きな運動をつくって、政府、JRに対してあるいは裁判所に対して、JRの責任で不当労働問題を解決するように申し入れていきたいと思っております。
 政府、JRに対してILO勧告の履行を求めるアピール運動をたち上げました。早稲田大学名誉教授の中山和久さんや隅谷三喜男さんなど十二人が呼びかけ人となっています。ぜひ、これに皆さんのご賛同を数多くいただき、これを政府にぶつけていきたいと思います。あわせて労働組合や市民団体の賛同協力を広くお願いいたします。


自自公横暴を止める戦線を
新社会党東京都本部委員長 江原 栄昭

 今日は、私個人ではなく新社会党中央本部から江原行って来いということで、中央本部の代理として参加させていただいています。
 昨日も新宿で名護への基地移設反対の署名、宣伝活動をしてきました。若い人も関心をもっており、署名の半分は青年でした。これからもっとがんばりたい。
 今年行われる総選挙で、新社会党として小選挙区で候補者を擁立するのは見送らなければならないと判断しています。しかしながら、東京において比例区で闘いながら、財界と自自公の横暴を何としてもストップをかけよう。そのために広範なあらゆる人びとと大きな闘いを展開したいと準備を今重ねているところです。
 そのような準備が整いましたら、労働党の皆さんといっしょに闘いたいと思います。どうぞ皆さん、今年二〇〇〇年は二十一世紀にまたがる架け橋の年でもあります。明るい二十一世紀を展望できる年にしようではありませんか。どうか、そのために共にがんばりましょう。


書店は文化を守るもの
日本書店商業組合連合会常任委員 丸岡 義博


 書店組合は日本全国で約一万店あります。しかしながら、現在の経済状況の中で大変苦しい状況にあります。出版物は前年に比べ三%ほど落ちています。そして不況下にもかかわらず、大手書店が進出し、売り場面積は四%ほど増えている。もう一つは競争相手であるコンビニさんで雑誌関係が増えています。これらを合わせれば、書店組合としては前年に比べて一割ほど売り上げが下がっています。本は文化の中心で、書店は文化に貢献していると思っています。
 私たち小さな書店は文化を守るためにがんばっている。また同時に生活がかかっているので、どうしても踏んばらなくてはなりません。労働党の皆さんとともにがんばって新しい世界をつくっていきたいと思います。


歴史を清算し祖国統一を
在日本朝鮮人総聯合会中央本部国際局副局長  崔 寛益(チェ ガニ)


 日本労働党の二〇〇〇年旗開きにおきまして、在日本朝鮮人総聯合会中央本部常任委員会の名において、熱烈にお祝い申し上げます。
 私たちは在日朝鮮人の権利を守り、そして皆が日本の皆さんと仲良くし安心して暮らせる環境をつくるために日夜活動しています。そして、日本と朝鮮の関係を根本的に改善し、過去のことをきちりと清算し、もう二度と不幸な歴史を繰り返してはならない。最も近くて親しい関係を取り戻そうと私たちもがんばっております。
 幸い、昨年の十二月に日本の国会議員代表団が、超党派でわが国を訪れました。これを機に朝日国交正常化の予備交渉が始まり、今年の春ぐらいからは、本格的な政府間交渉が始まるものと私たちはみています。
 今世紀は今年で最後です。いまだに朝鮮の統一は果たせず、いろいろ苦しい目にあわされております。これを根本的に解決することは、朝鮮民族、在日同胞にとって一番大きな課題であり、来世紀には必ず実現して、侵略を受けない、統一した国として力をあわせ、近隣の国々と仲良くしたい。
 沖縄からの特別報告がありましたが、これは私たちにとっても他人事ではない。沖縄の基地問題は、朝鮮半島全体、アジア全体の平和と安全にかかわる重大な問題である。ガイドラインなどぶっそうな話もあります。しかし、私たちは力を合わせて、これを打ち破り、アジア太平洋の平和と安全のために、皆さんとともにがんばりましょう。


自分の闘いとして名護に支援を
沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック代表  上原 成信


 玉城さんから名護市の報告もありました。名護の人びとは三年も四年も闘っている。それに対して、私たちがどうやって支えられるかが課題です。
 リコールも市長選挙がどうなるか、いろいろ現場としての悩みはたくさんあると思う。
 地元の人びとが家を抵当にしてお金を借りてやるのは厳しい。名護の基地問題は、日米安保に反対する皆さんの闘いであり、自分の闘いとしてカンパをお願いしたい。今は、現地が十分に闘えるようにすることが大事だと思う。どうか、よろしくお願いします。


部落解放、狭山闘争に支援を
部落解放同盟東京都連合会副委員長  高岩 昌興


 労働党の二〇〇〇年の旗開きにお招きいただきまして、大変ありがとうございました。今年は東京都連の委員長から「自分が行けないからお前が行って来い」ということで、東京都連として初めて組織参加しました。また、都連の田中部長、荒川支部の大橋支部長ともども参加しています。
 ご承知のように狭山闘争は、昨年の七月に十三年間続いた第二次再審請求が東京高裁で棄却になりました。指紋の問題、筆跡の問題などでいくつもの大きな矛盾を残しています。石川さんの脅迫状を鑑定しました大野普さんは学習院大学の教授で日本の国語学の権威であります。大野さんは鑑定した鑑定書に対し、筆跡は石川さんに似ているという判断を下したことに、怒りをもって新聞に意見広告を出すと言っています。
 先ほど大隈議長のナチスの話で、ナチスに逆らう者は有無を言わせず有罪にするという話をほうふつとさせました。
 これからは異議審査請求の闘いに入ります。二月七日に狭山東京集会を開催します。皆さんのご参加と部落解放闘争、狭山闘争への引き続きのご支援をお願いします。


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