20000101


地方議員 新年の抱負

切実な課題を地域で闘う
国の犠牲強要ノー


「アジアの共生」めざす
長崎市議 中村すみ代

 労働新聞の読者の皆さん。新年明けましておめでとうございます。
 昨年は、私にとって四月の統一自治体選挙において、長崎の各界各層の広範な市民の皆さんの絶大なご支援により、四期目の当選を果たすことができた意義ある年となりました。
 今年は、今まで以上に市議十三年間の経験と実績をふまえ、特に「アジアの共生」をスローガンとする国際平和都市・長崎づくりをめざします。また、米国の圧力に抗しきれず、あらゆる分野で強行されている規制緩和によって苦しい生活と労働、経済活動を余儀なくされている市民と共に、長崎から日本の政治をただしていきたいと決意しています。
 この度、「アジアの共生」の具体化として、自主・平和・民主のための広範な国民連合・長崎主催の訪中団の一員として、一月四日から九日まで十八年ぶり二回目の中国訪問が実現します。労働新聞が皆さんのお手元に届く頃に、私は上海か北京、あるいは南京にいることでしょう。
 上海では、(社)長崎県貿易協会上海事務所を訪問します。ここでは、中国の経済事情をうかがって、長崎県、長崎市と中国との経済交流の現状と課題などについて実態をよく把握し、二十一世紀に向けた交流のあり方を私なりに構想してみたいと考えています。
 また、四月からスタートする、「坂と階段の町」長崎における介護保険制度のあり方や、二十一世紀を平和の世紀とするための被爆五十五年目を迎える被爆都市長崎の役割についても、きちんと今まで以上に主張していきたいと思っています。
 今年も昨年以上に、労働新聞に寄せる皆さんの闘いの熱いメッセージに元気づけられ、がんばっていきますので、よろしくお願いいたします。


労工農商の要求ふまえて
福岡県 古賀市議 ぬま健司

 新年明けましておめでとうございます。
 私は、一昨年の市長選を経て、昨年の統一地方選挙においてトップ当選で市議会に復活しました。
 十二月定例議会では、運動公園問題で市長の姿勢を批判しました。市長は、中断、縮小・継続の公約すら投げ捨て、民間資金を当て込んで財政規模を拡大しました。また、行革の一環として現業部門の削減、具体的には学校用務員の不補充という市長の方針を批判しました。
 後援会活動として、議会報告会の継続に加え、市長との直接対話の場を作りました。高齢者対策、歩道の改善、大型店出店、工業団地開発など切実な要求を参加者一人ひとりが主張しました。また、工業団地予定地をみんなで視察し、移転を迫られている方の話を聞きました。
 さらに昨年は、第一回政治学習会を開催し、労働党の県書記長を講師に自自公政権のゆくえを学びました。
 今年は、介護保険、行革によるリストラなど大きな課題が目白押しです。三月予算議会の審議を展開しつつ、市民の切実な要求と結びつき、市政をめぐる闘いを発展させたいと思います。
 今年の夏までに、労・工・農・商の社会調査をふまえ、私たちのめざす市政の政策提言をまとめることにしています。
 福岡県地方議員交流会は、二月に宮田町で第十一回目を開催します。地方財政について研修を深めることにしています。
 全国の仲間の皆さん。共にがんばりましょう。

ぬま健司ホームページ
http://www.asahi-net.or.jp/‾NY2K-NM/


国土の放射能汚染は許さない
岡山県 赤坂町議 原田素代

 シアトルでの世界貿易機関(WTO)閣僚会議の決裂は、米国の大失態を天下にさらし、影響力の低下を明らかにしました。
 世界中の非政府組織(NGO)メンバーが環境問題、労働運動、反帝民族闘争などの立場から実力闘争を展開し、発展途上国の五十五カ国が、先進国が密室でまとめる合意案への署名を拒否するなど、米国をたたきました。久々に小気味よいニュースで、二〇〇〇年も面白くなりそうです。
 一方、岡山県にとって正念場になるのが、この一月の国会に上程される「高レベル放射性廃棄物処分推進法」(仮称)です。これは、原子力発電所から出る「高レベル放射性廃棄物」を深地層に埋め捨てるための事業主体を決める法律で、成立すると処分候補地の選定に入ります。
 岡山県では二十年前から、県西部と県北部に鉱山の試掘権、採掘権をとる不審人物が、町村長に対して「高レベル放射性廃棄物をもってくればカネになる」と暗躍しており、最終処分場の候補地として極めて有力視されています。最もひどいのは、県北部の旧動燃事業所のある上斎原村でそこは、村長や議会をあげて候補地の名乗りを上げているのですから。
 法案が通過すれば、もう後戻りはできません。高レベル放射性廃棄物は決して地下に埋め捨ててはいけません。地震大国日本には、活断層が縦横に走っています。高濃度の放射能を数百メートル地下に埋め、ステンレス容器が溶けて地下水に混じったり、大地震で地下施設が破壊されれば、手の施しようがありません。
 九月三十日の東海村の事故は、わずか〇・一グラムのウランで起きました。決して政府の思い通りにさせない国民の英知と実力闘争なくして、日本の放射能汚染は避けることはできません。
 今年から、新たに長い闘いが始まります。


働く者が報われる市政を
埼玉県 川口市議 市原光吉

 新年明けましておめでとうございます。
 昨年は統一地方選挙があり、私も二期目の当選を果たしました。皆さんのご支援に感謝申し上げます。
 さて、バブル経済がはじけて以降、長期の不況が地方経済や働く者にのしかかっています。川口市政も、バブル期に計画した駅前大型開発のホテル建設を、選挙後の初議会で断念しました。
 私は税金が大企業や一部の地域、人のところで手厚く使われることに反対し、大型の建設事業に集中する市政ではなく、市民の生活に密着したバランスある市政をと訴えてきました。
 中小企業の多い川口市では、昨年、七十億円の緊急融資を行いましたが、市内の事業所は不況下で大変な思いをしており、市の産業振興施策を求めています。
 川口市の商店は、この十年間に千店ほど転廃業しました。一方、小売店の年間販売額も従業員数も増加しており、大型店の進出と商店街の衰退がはっきりと数字にあられています。
 川口市は一昨年、五千万円のプレミアムを補助して、五億円の商品券を上限三百万円で発行したのですが、上限額が高すぎること、地元の商店の振興に役立つ施策ではないことを理由に、議会では私がただ一人反対しました。今回は上限額を三万円にして販売し、アッという間に完売しました。
 一歩前進した成果となりましたが、本格的に地域経済に密着した中小企業の振興施策が求められています。
 この一年間、まじめに働く者が報われるような地方自治体になるよう、市政にも国政にも、声を大にしてがんばることをお伝えし、新年のあいさつとします。


生きられる町、暮らせる政治
東京都 あらかわ元気クラブ

 いよいよ二〇〇〇年の幕が明けました。
 二十一世紀を目前に、世界は一九三〇年代の様相を呈してきました。資本主義の末期現象ともいえる世紀末です。人類は「恐慌」と「戦争」の二十世紀を乗り越え、進歩と発展と平和の未来を築かなければなりません。
 昨年も「人道」の名の下に、民族自主権を無視した武力による内政干渉が、コソボで行われました。たくさんの子どもたちが戦火の中をさまよい、親を失いました。一部の大国が、自らの規格に従わない小国に繰り返し制裁を加える企ては、もうやめさせましょう。
 国内では、日産の二万一千人削減計画を皮切りに、次々と大企業が一方的な人員削減や工場閉鎖を始めました。
 犠牲になるのは労働者と家族だけではありません。下請け関連や地域経済にも、大きく影響が及びます。国や自治体の優遇政策を受けながら、働く人の首に安易に手をかけることは許されません。
 私たち「あらかわ元気クラブ」は、こうした切実な問題で地域の人びとと共に闘い、小さな町・荒川から全国に「元気!」を発信したいと思います。本年も、どうぞよろしくお願いします。

元気クラブホームページ
http://www.kt.rim.or.jp/‾genki-c/

弱肉強食でない社会に
荒川区議 今村まゆみ

 明けましておめでとうございます。
 二十世紀最後の年となりました。ひとにぎりの強い者が優遇され、さらに強さを増す、そんな時代は終わりにしましょう。
 今年は世紀末の混乱に終止符を打つ時。介護保険の導入や年金改悪で社会保障をくずし、規制緩和で競争を激化させ、弱者を切り捨てる。そんな世の中を変えるチャンスの年です。地域の商店主の皆さんや、お年寄り、障害者、子どもをもつお母さんたちといっしょにこうした問題に取り組んできましたが、今年も力を入れていきたいと思います。
 この世の中を弱肉強食でない世界にしたい、という望みはまったく変わりませんが、二〇〇〇年を契機に新たな気持ちの自分に生まれ変わり、もう一歩前進したいと思います。
 一気に見違える私にはなれませんが、これまで以上の成果があげられるようがんばります。

展望示せる政治勢力を
荒川区議 斎藤ゆうこ

 新年おめでとうございます。
 二十一世紀へのとびらを開く、新しい年の始まりです。経済も政治も、米国に依存したこれまでの日本の生き方を大きく変える年にしたいものです。
 発足した自・自・公連立政権も、暮れの国会で限界が見えてきました。単独で政権を維持できないまでに国民の支持を失った自民党をかわるがわる支える政党も、厳しい批判をまぬがれません。
 荒川区では、こうした政治状況も影響してか、職員給与引き下げ−区民へのガマン強要という自・自による乱暴な行革が行われました。
 二〇〇〇年という時代の節目。志を高く掲げていきたいと思います。
 目前の差し迫った問題で闘わざるを得ない人たちの身近で役に立ち、世界をどう改造するかの展望も示せる力を。小さくても多くの人びとと深く結びついた政治勢力を。
 これが私の今年の課題です。


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