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企業再編、合理化激しい業界

労組は腹を決めて闘う時

製紙工場労働者 長島 雄二


 私は、田舎の製紙工場で働く、ちょっと年をとった労働者です。技術職ですが、この会社に入社してもうすぐ二十五年目を迎える万年係長です。
 この二十五年間に会社の名前が二回も変わりました。製紙業界は慢性的な構造不況業種で、生産調整や企業再編なども激しく、中小の工場はいくつもつぶれてきました。会社の名前が変わるたびに、私の給料はすえ置かれ、後輩たちに追い抜かれてきました。
 最近、親会社からきて就任した工場長は、部長、課長、係長という職制を飛び越えて、直接現場の労働者に仕事の指示を与え、報告を求めます。要するに私たち末端職制を無視したやり方です。
 自分の係の職員が残業していても、私には何をしているのか分からないままです。彼らが残業で帰らないので、私も帰るに帰れない雰囲気で、たまらない毎日が続いています。要するに辞めるやつは辞めろということです。
 合併・再編、合理化が激しい中でも、田舎でのどかだった私の工場でも、いまやギスギスした職場になってしまいました。
 どこの会社も「リストラ、リストラ」で、「時の流れ」とあきらめ半分の同僚もいますが、職場では不満がたまりにたまっています。
 労働組合も闘いきれず、ズルズルと来てしまいましたが、「なんとかしなけりゃ」と声が出てきました。私もこうした声におされて、組合の役員をやることになりました。 
 若い頃には、組合の書記長をやったこともありましたが、その頃はまだ高度成長のなごりの頃だったので、まだ、のんびりしていました。今度はちょっと違うようです。
 経営者も生き残りをかけて、合併やリストラを進めているのですが、彼らにも決して展望があるわけではありません。会社の重役に聞いても「どうなっていくか分かりません」という始末です。
 これらかの労働組合運動は腹を決めてかからないと、やっていけないのではないかと思っています。「首切るやつの首を切れ」「去るも地獄、残るも地獄」の状況です。いよいよ情勢が来ていると思います。
 皆さん、来年もがんばりましょう。 


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