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朝鮮シネマ『あゝ青春』を上映

映画で朝鮮の理解深めよう

J・K


 日本人にとって朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)の映画はほとんどみる機会がないと思います。何年か前、『バード』という南北離散家族を描いたノンフィクションの映画が日本の映画会社に配給され、映画館やテレビでも上映されたことがありますし、最近では朝鮮伝説の恐竜物語を映画にした『プルガサリ』が話題を呼びました。しかし、それ以外のフィルムはまったく日本に輸入されていません。でも、映画ビデオは東京・白山の「コリアブックセンター」に行けばたくさん売っていますし、日本語字幕入りのものも少なくありません。
 共和国では人民の娯楽の場として各地に映画館があり、一年に約数十本の映画が制作されており、随時新しい映画が上映されています。また、何年かに一度世界の映画を集めて国際映画祭も行われます。アニメ映画はフランスの制作会社とも提携し、国際的な評価が高いことも有名です。
 ところで、日朝親善とはなんでしょうか? 近頃は「ハングル」(偉大な文字)と聞くとほとんどの人は「韓国の文字」ということを知っています。でも、共和国では「ハングル」とは普通言わず「チョソングル」(朝鮮文字)と言っています。私たちは、今や普通に焼肉屋に行ってキムチを食べたり、カルビを食べたりしていますが、これらの料理を韓国料理だと言う人が多いです。それは間違っていないのですが、朝鮮料理となぜ言わないのでしょうか。やはり、これらはテレビを通じて自然に私たちが受入れているKOREAの認識なのです。
 今回、「もっと近くて近い国へ」というテーマで、朝鮮の映画『あゝ青春』上映と、文学の講演会を開きます。朝鮮文学については、日本では、戦前のものや南朝鮮のものを研究している人は多いのですが、共和国の文学を研究している人はほとんどいないのではないでしょうか。今回は金学烈先生の話から生の共和国を知ることができる貴重な機会だと思います。
 皆さんがもう一つのKOREA、朝鮮民主主義人民共和国を知って、私たちが植え付けられている朝鮮の北半部への誤解を少しでも払拭できるきっかけになることを願います。

十二月五日(日)
午後一時二十分〜
東京・板橋区立産文ホール
主催=朝鮮シネマ『あゝ青春』上映実行委員会 電話〇三―三五五四―三〇四三


『あゝ青春』のあらすじ

 この物語の主役は、一玉、二玉、三玉、四玉、五玉の五人姉妹、そして長男の基浩と両親がいる大家族です。女姉妹はみんなスポーツ選手でたくましいのに、長男は三十歳にもなってまだ独身。「優秀なのはいいけれど、町でデートをしているカップルをみると、基浩はいったいどうなっているのかしら」と息子の結婚を心配する母。でも、結婚するなら、娘たちのようなやんちゃな女の子ではなくて、上品な女性がいいといって、見合い相手をさがしている。そんな、母の思いを受け止めて基浩は人民大学習堂で勉強していた刺繍(ししゅう)学校の学生の銀京と出会い、何度も会ううちにお互いに気に入りやがて交際が始まる。しかし、上品で女性らしいはずだった銀京は、実は…テコンドの世界チャンピオン! その事実がわかった後、基浩と母は複雑な心境に。その続きは会場で。
 美しい平壌の映像も楽しみながら、この家族の笑いあり、涙ありの物語りをお楽しみください。
 


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