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昇給差別にも無関心−−

これでも労働組合なの?

野口 源二


 先日、ある自治体で働くAさんから、Eメールで相談を受けました。相談の内容は、不当な昇給差別を受けているというものでした。
 昇給で不当に差別を受ける理由に思い当たらない彼は、納得がいかず組合に相談したところ、役員がいっしょに人事課に行ってくれたそうです。人事課が言うには「勤務評価は水準以上だが、総合評価が悪い」というもので、「いずれ是正する」とのことだったそうです。
 理由もいい加減なもので、まったく納得しがたいものでしたが、いずれ是正されるのならと思い、それ以上の追及もせず引き下がったそうです。ところがいつまでたっても是正されず、差別が続いているということでした。
 「こんな大事な話なら、組合に相談すれば何とかしてくれるでしょう」という私の意見に、「あれから組合は何の相談にものってくれなかった。自分の不当な昇給差別に関心を示してくれない。だから相談にのってくれそうな人に話してるんだ」ということでした。
 何かあ然とする話です。「労働者の困っている問題に親身になって相談にのってくれるのが労働組合の一番大切な仕事じゃないの? そうか、近頃はリストラに賛成する労働組合は珍しくないからなあ。でも許し難いな!」という私。
 「リストラで首になる労働者に比べれば、自分の要求は、世間では深刻なものではないかもしれないが、自分は絶対納得しない! 勝つまでがんばるつもり」という彼。「よし! Aさんががんばるなら応援するよ」と激励し、また連絡取り合うという約束をしました。
 ちなみに相談にのってくれない労働組合の執行部は、共産党系でした。 


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