991025


電話1本で「人事交流」命令

有無を言わさぬ異動に怒り
住民にもサービスダウン

郵便労働者 有村 恵太


 皆さん、お元気ですか。
 私は郵便局で、集配の仕事をしています。来年の春でちょうど勤続二十五年になります。
 ついにやってきました。何が? 人事交流の内示がありました。多くの仲間が人事交流で他局に転勤になり、昔からの仲間もわずかになりました。そろそろ自分の番かなあという予想が当たってしまいました。
 人事交流とは、同一の局に五年以上勤務している人が対象になります。今回、私のいる局でも六人に発令されました。人事交流については拒否することができません。ましてや、自分の意思や希望に基づいたものではありません。
 長年働いた局、区内の状況をよく知った仕事をいやが応でも取り上げられ、他局で一から仕事を覚えなければなりません。このことは、地域の住民にとってもマイナスです。昔からの人が配達をしていれば、間違いも少ないのですが、新しい人が慣れるまで時間がかかります。もう郵便局にはプロがいない時代になってしまうのでしょう。
 人事交流の内示は、本人が局で仕事をしている時は局長室で、休暇の時は電話をしてきます。私の場合は電話でした。最初は総務課長が出て「有村君、これから人事異動を発令します。○月○日○時○分。今、局長に代わります」。局長「有村君、○○局勤務を発令します。本発令を受けるまで慎重な行動をお願いします」という内容でした。頭に来ました。有無を言わさず、何の反発もできないからです。どうして私が、という気持ちがあるからです。がんばってやってきたのに!
 その後本発令があり、今新しい局で仕事をしています。今の班の仲間も半分以上は他局から来た人たちで、二十五、六歳の人が仕事上の先輩です。どこの局も新しい人たちで、人材不足というところです。
 今いる局は、前の局よりも仕事は楽ですが、前と比べて残業が少なくなった分、手取り収入も三万円以上減りそうです。いろいろな不安もありますが、大不況の時代、ここでがんばるしかありません。
 


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