990915


集まればつらい話ばかり

会社員 坂本 直一


 最近、何人かの友人たちと久しぶりに会う機会がありました。

 Aさんは町工場で働いていますが、会社は出向・配転・人員整理の動きに出ており、現在は指名解雇同然の希望退職を迫ってきているそうです。住宅ローンの返済など、まだまだこれからという中で生活不安の毎日で、会社を辞めるにも辞められない状況だとのことです。

 Bさんは、長年数人の従業員とともに建設現場で左官の仕事をやっているのですが、仕事がほとんどない毎日が続いていました。「仕事がないのが何よりつらい。今年に入ってから特にひどくなった」と嘆いていました。

 Cさんは農協に勤め、夜遅くまでノルマをこなすかたわら、農業を営んでいます。全国的に農協合併が進んでいる中で、いつクビ切りにあうかと不安な毎日だそうです。

 彼は農業所得は苦労の報いもない程度なので、花や野菜、ブドウなど、なんとか工夫しながら食いつないでいるのが現実です。「(課税対象にならず)税金も納めきれないでみじめになる」と、こちらが身につまされるような様子です。

 こうしてみると、友人たちのまわりでも、確実に変化が押し寄せているようです。新聞などをみると、大手銀行の合併が進むなど、ひとにぎりりの巨大銀行、巨大企業が競争の勝ち残り繁栄していく、そのための政治が進行していることがわかります。一方、「銀行と政治家ばかりが甘い汁を吸っている!」など、失業者の政治への怒りは、腹ワタが煮えくり返るほどとなってきています。

 生活に苦しんでいる人たちの手で、どうやって政治を変えていくかが問われてるように思います。「自分の仕事の大変さで、いろいろ考える余裕などない」という中で、困難さもつきまとうでしょう。けれども、国民の中に政治を変えるための団結と連合の力をつくっていくこと、そこに目を向けられることこそが、皆が元気になっていく道だと思うのです。

 私自身も、まわりの友人たちにそうした立場から働きかけ、一歩でも二歩でも政治を変えていく力になれたらと思うのです。

 働く仲間の皆さん、苦しんでいる多くの皆さん、めげずにともにがんばりましょう。


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