990705


失業者の声(下)

私の要求

世の中は不公平だらけ


 前号に引き続き、労働党愛知県委員会が実施した「失業者アンケート」に寄せられた失業者の声を紹介する。今回は、1)失業者の具体的な要求、2)国や行政への怒りの声を取り上げた。政府は99年度第1次補正予算のうちの3200億円を新規雇用創出にあて52万人の雇用を確保するというが、その金も企業にバラまくだけで、失業者の困窮を救うものではない。企業にだけ手厚く奉仕する政府。小渕政権の階級的な本性がますますはっきりと見えてくる。


不況で採用者側の天下

失業給付延長を

★失業保険の給付が終了してしまっても、就職先の決定していない人への対処を考えてほしい。不況ということがわかっているなら、再就職が難しいことも理解しているはず。支給期限の延長など対策はあるはず。

★求職活動の身ですが、条件面の悪さ、とくに年齢制限にはまいりました。五十代半ばですがまだまだ元気に働けます。大不況のおり、失業給付期間を最低欧米並みは無理としても、三百日から一年へ延長してほしい。

★ドイツなどは、失業手当を失業中は無制限に支給していると聞く。わが国の場合、自己都合退職だと三カ月の給付制限を受け、支給期間最低は九十日と短い。もっと改善できないものか。矛盾を感じるのは体力のある若者に頭脳労働を多く与え、体力が下降線上にある高齢者に肉体労働を与える傾向が強いことは納得がいかない。しかもそれはきつい割には低賃金である。

税金の減免を

★税金のことが一番頭が痛いところ、所得がなくなるのに税金は前年と同じ。どうにかしてほしい。これが誰もが考えていることと思うが私一人であろうか。

★市・県民税の減免。

★収入がないのにお金がかかる。健康保険、任意継続中、二年間の限定残り約一・四カ月。保険料が高い=退職前と変わらない。生命保険、種類によっては保障が少なく団体扱いとならないか、料金が高いなど。

★1)中高年の再就職促進訓練の受講を考えたが、受講期間終了と同時に失業保険の支給が終了となり、これから就職活動が必要なときに支給なしとなるのは非常に不安です。三カ月の受講ですぐに使える能力になるものかも疑問です。2)失業中のこの時期の税金の請求ばかりが届くことには腹が立つ。しかも年々金額が上がっている。一定期間の免除の法律も考えてしかるべき。3)官公庁が土日休みはおかしい。せめて半日は開くべき。国民が会社を休まないと官公庁にいけないのは絶対おかしい。

★所得二百万円未満のみ市民税減免があるときき、役所にいったら前年度の収入であると言われたが、当年度の所得二百万円未満に該当するようにしてほしい。

★同封された「国民健康保険料が高くて払えない!」というのは実感です。退職してまだ自分の職が決まっていません。自衛方法を考えていますが、今年はほとんど収入ゼロだと思われます。市民税などの減税も考りょしてほしい。

定年を延長しろ

★男女雇用均等にならって年齢制限の撤回、緩和を検討してほしい。

★今の定年六十歳はまだ元気です。定年延長を望みます。

★1)定年退職者の働く場所の確保、2)雇用保険受給手続きの簡素化とスピードアップ、3)雇用保険受給額の増額と現行法の見直し。

★定年を六十五歳以上まで延長すべし。年金は六十五歳から支給、定年は六十歳まで、という現状は、この五年間どうやって生きていけということか? 国税の使用方法をもっと考えてほしい。現在、日本がこれだけ苦しい状況になっているのに、その苦しさを緩和する方向に税が使用されていないのではないかと思う。

失業者を支援する職安に

★職安の紹介で受けてもなかなか決まらない。職安側ももう少しその人に合った仕事や決まりそうなところをどんどん紹介してほしい。紹介といっても今は自分でいろいろさがしているが、企業はひまつぶしに面接をしている気がする。あまり人を入れる感じがしない。一生懸命、毎日いろいろ探して面接をしているがバカバカしくなってきた。

★1)ハローワーク(職安)について…まったくのお役所仕事でとても求職者の応援をしていると思えない。書類を発行しているだけ。こんなところに人件費をかけていることが無駄なことと思う。有料でも親身になってさがしてくれるところがほしい。2)国の機関…実務にあたる政治家、官僚、役人、世間のことがなにもわかっていない人材がことに当たっているから実情がまるでダメ(困ったことがない連中)。

★1)職安職員の態度が失業者と企業側とで百八十度違う(失業者はバカにされているみたい)。2)職業紹介票の内容が違うケースが多い(条件面などで)。3)会社側の面接および書類選考の行い方についてもっと結果(特に選考結果の内容)の情報を公開してほしい。そうでないと面接、書類選考のために交通費や書類作成の費用を出していてもお金のムダになることが多いので。4)政治家、会社経営者へ「リストラされるのは自分たちだ」という気持ちをもって今までの政策などを反省し、また失業者の立場を少しでも考えて政策などをしてほしい。

★いろいろ行政に対して訴えたいことばかり。愛知県庁でも県が赤字財政なら、知事の退職金が一期務めて六千万円は多い。国でも銀行でも公金を使うのは考えてほしい。議員は解雇はない。世の中、不公平だらけ。職業紹介であるにも関わらず求人票のくい違いが多すぎる(条件など)。企業に対する行政の指導が問題である。不況で採用者側天下となり、職安の力が弱すぎるのか!

★会社の都合で退職した者に対して国、会社などの対応が遅れている。同業種の求人がまったくないといっていい。経営者は何を考えているのか。働く意思がある者にもっと手を差し伸べるべきである。国は企業に対して何をしているのか。職安もいつでも相談できるように体制づくりをしてほしい。

★1)年金の先行き不安(支給引き上げなど)、2)金融関係機関への好待遇(預金等に対する利息の低さなど)、3)国民が将来安心の持てるような政治を行ってほしい。何かと不安がつのる政策、4)職安職員の態度(もっと失業者に対する親切な態度)、5)高年齢者に対し、資格取得のための研修指導の場を多くしてもらいたい。

★他の地域の求人も職安で調べられるようにして、他の地域に転職できるようサポートしてほしい。失業給付を受ける期間中、学校などにいってはならないという決まりはあるけど、それをなくしてむしろサポートしてほしい。職安にパソコンを置いて、それによって全国の仕事や詳しい情報を自分で検索できるようにしてほしい。

★もっと行政が労働に目を光らせてほしい。

★求職者が多いためか会社側は強気。面接で嫌みを言われることもしばしば。面接では会社側は根掘り、葉掘り聞いてくるが、給与、賞与、休日、残業などについて質問すると途端に口をにごす。さらに質問すると開き直る。「サービス残業」くらい当たり前ということか。こういうセコい会社を見極められるように求人票に記載してほしい。面接するだけムダ足だ。交通費もバカにならない。年齢制限であきらめております。

働く場の保障が国の責任

★扶養家族を持っている高齢者には自殺も考えるほどと思う。(失業保険給付も切れ、年金支給にも間があり、生活の見通しも立たない…)。五体満足、働く意欲十分の失業中高年者には、現在の一般求人事情ではきわめて困難。当面の救済として、県・市町村が関連するすべての施設、機関の中に職場創設(一定期間在職=再就職または年金受給者の空白期間)し、最低限の生活維持ができるよう緊急的処置を望みたい。

★年金支給されないものに優先的に職を与えてもらいたい。月十五日未満の勤労者には社会保険は適用されない。それを企業は逆に利用して十五日以上働きたい労働者を十五日未満に抑え込んでいる。

★自宅近くにもハローワークのような場所があるとよい。交通費が結構かかるので失業中の者にはつらい。私には子供が四人いるため一日も早く職につきたいのですが、私自身、身体障害者のため求人が少なく、あってもパート、アルバイトぐらいでとても一家六人が生活できるだけの収入もない。それに求人をしていても障害者というだけでほとんどのところが採用を断ってくる。今のところは、失業保険で何とかなっているが失業保険がもらえなくなると、国民保険、国民年金などを今後どのようにしたらよいのかわからない。私自身のことばかり言うようだが、身体障害者を雇用してくれるところ、県、市、町レベルで仕事をつくってほしい。


怒り! 銀行にばかり金を使うな

選挙のときだけ頭を下げる議員

◆在職中、少しずつ貯金し、定年後利息を生活の足しにと思っていたが、低金利でまったく計算が違った。バブル期の大企業(建設、銀行など)のシリぬぐいのために、個人が犠牲を強いられるのは許せない。

◆飲食業の勤務時間が長すぎる。一日十時間から十一時間勤務。行政や政府は低所得者のことをもっと考えろ。国民のためにお金を使え。公約したことのできない政治家は減給しろ、もらいすぎだバカ、死ね。

 職業安定所の職務怠慢、求人票に書いてあることは事実無根。調理師も一日八時間労働を強制してほしい、週休二日制。もらえそうもない年金をかけさせるな。今おさめた人にはいくらもらえるか。確定もしていないのに、なぜおさめなければいけないのか。政府は国民のことを考えろ。バカ、死ね。

◆本当の政治家がいない。自民党では金持ちをみて選挙しているようで日本の将来は大不安。失業率の高さに日本政府は何も考えていない、バカどもだ。

◆失業して収入がなくなっても保険料、高熱費などの生活に必要な金額は変わらない。生活資金として市より借入を希望すれば収入がないから貸せないという。収入がないから借りたいのに。

◆長引く不況で失業者、解雇、倒産と厳しい日本ですネ。現在就職している若者の給料の減給、ボーナスなしといった中小企業もあると「あたりまえ」になっている問題です。われわれの税金で給料をいただいている方も、現状をよく見て、県、市の行政のおえらい方、考えて下さい。

◆国民年金の支払いで退職後すぐに保険料免除申請ができることをもっと早く知りたかった。年齢制限の職が多く、まとまりかけた仕事も年が若い人が面接に来るとそちらにいってしまう。特に税金など優遇してほしい。

 目下、年金+失業手当受給中ですが、まもなく失業手当が切れたらその先仕事がみつからなければどうやって生活していこうか不安です。医療費、健康保険料、そしてさらに介護保険と支出は増えるばかり。利子は減るばかりでお先真っ暗です。検察、大蔵などのトップやりたい放題。天下り後、数年でわれわれの生涯かかっても得られない退職金を取るなどまったく許せない。金持ち優遇の税、腹の立つことばかりだ。

◆リストラ(人減らし)が経営の第一のような悲しい現状に対し経営者は責任をとることなく高給。会社の名での公私混同。こういうアンバランスな社会に行政をはじめ政治家の対応のなさを残念に思う。

◆中小企業には援助の差し伸べが少ない。気の毒。それにくらべ銀行には公的資金投入など積極的な援助がされる。不公平だ。もっと経営責任を問うてもよい。省庁もしかり。

◆長銀など銀行にばかり公的資金を使わないで中小企業など本当に困っている人たちに分配すべきだ。

◆1)国民健康保険が高すぎる(病気、ケガの時の保険にも関わらず、これでは病院にもかかれない)。2)失業して金銭的に苦しくなったにもかかわらず、勤めている時より高額になるとは何事か。せいぜい月五千円が限度である。3)年金を払っているが本当にもらえるようになるのか(もらえそうもなくムダ?)。4)行政のふがいなさを感じる。選挙のときの公務員の手当は不要(無料奉仕でもよい)。

◆在職中に思っていた不況というイメージと実際に職安に行き、再就職しようとしたとき、改めて現在の失業状態を認識しました。今まで、産業のため、自分のため残業して働いてきましたが、これを機にゆとりある生活に向けて、少し考え直そうと思います。人びとの生活が「お金」以外の意味で、豊かになっていくことを望みます。

◆定年年数をもう五年くらい延ばすようにしてほしい。代議士は自分の地位ばかり考えて国民の代表ということをまったく頭にない。選挙の時だけ頭を下げるだけ、当選すれば、後はそしらぬ顔。これでは選挙には行く気がしなくなり、投票率が落ちて当たり前。

◆自分は自己退社したのですが、はじめて失業して職のないことのつらさを知った。失業しても税金、国民健康保険、国民年金などお金がたくさんかかります。失礼な言い方ですが、わが国は金取り虫の巣のようです。政府にはどうしても言いたいことがある。選挙投票しても運動員が裏でワイロを渡してあくどいことをやっている。これでは誰も選挙に行きたくなくなる。


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