990705


怒りを行動に変えねば
訓練校を受講したものの…

3カ月後はどうなるんだ?

福岡・失業者 岡村 博之


 雇用状況が一段と厳しくなっていますが、私の住む地域では政府の発表した失業率四・八%よりさらに悪い状況です。まして有効求人倍率は〇・三を切っています。要するに、求める仕事がないということです。こういう実際ですから、私のような中高年で失業中の者には、明日がいまのところないということです。

 まだ二歳の子供がいる現状では死ねません。というのは、昨年の自殺者が三万人を超えたということです。その理由の第一にリストラや経営不振など、経済状況が一向によくならないことが原因にあげられています。死ぬのは簡単でもあるでしょうが、生きるのはもっと大変です。

 私は昨年の十月に会社都合で解雇されました。それから家族のためにも就職先をさがしましたが、四十歳を過ぎれば、なかなか仕事がありません。まあ何とか失業保険がこの七月初旬まであったので、何とか生活ができましたが、これからの見通しがありませんでした。ちょうどその時期に、政府の緊急経済対策の一環としての「雇用活性化総合プラン」という訓練制度を職業安定所で知り、即刻、募集に応じました。

 もともと、今の政府のやることですから期待はしていませんが、三カ月間は失業給付手当が支給されるということのみで受講することに、家族の不安を押し切って決めました。

 きのう、訓練校の受講式がありました。三十人近い方々が来ていましたが、校長の話は矛盾だらけで頭にきています。校長は歓迎あいさつで、「三カ月間、一生懸命訓練に励んで次の就職先をさがしてください」「いま経済状況は厳しいですが、全体としては底をついたといわれています。だからといっても、しばらくはリストラなど構造改革が続くので、雇用状況がすぐ回復はしないでしょう」などと。

 このことは、いま政府が公然とリストラ・首切りを奨励し、一方で「雇用活性化総合プラン」という聞こえのいい言葉の裏にある現実を知った思いです。「円滑な再就職先の促進を図る」などといっても、それは失業者の怒りを少しの間抑えるだけの小手先の手段ではないかと思うのは、私だけでしょうか。校長のあいさつから、政府への怒りが増しています。

 近況を報告しました。なにはともあれ、三カ月後は待ったなしに就職問題が浮上してきます。それがいまの心配事です。怒りを行動に変えなければ、いつまでたっても私たち働く者は浮かばれません。


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