労働党が行った「失業者アンケート」に寄せられたご意見から紹介します。
63歳・女性
六十歳で定年退職させられました。それというのも職安を通して中高年者を採用すると、国から補助金が出るのに、定年制度はないという条件で入社したにもかかわらず、退職を余儀なくされました。まったく不合理な話しですが、こんなことが許されているのが底辺の実情です。
九カ月たってやっと再就職できましたが、この不況で印刷業界もかなりの影響を受けて会社もリストラを始めました。何の予告もなく明日から来なくてよいと通告され、ゴミ同様に掃き出されました。確かにパート社員ですが、何の予告もない解雇の扱いには腹立たしさも感じるとともに年を取ってきたことが情けなくなります。選挙のたびに耳にする、お年寄りに住みよい社会とはこんなものなのでしょうか。
時代の流れに少しでも溶け込みたいとワープロやパソコンもやっていますが、世の中そんな老人にはまったくおよびがかかりません。いつ再就職できるか見込みのないまま、毎日の職安通い。まわりをみれば若い人たちもかなりたくさん目に入ります。年金の支給を引き上げることよりも、健康で働く意思のある老人にもっと積極的に政府が政策を尽くすべきではないかと思います。年金制度の見直しばかりに本腰を入れていますが、根本的に間違っていませんか。六十歳で年金を受け取る人がなぜ多いか。働く意思があっても、従来から会社は採用には消極的だった。それにもましてこの大不況。まったくお先真っ暗やみの世の中です。苦しい立場にある失業者の人びとに一すじの光が差すのはいつのことかと、ただその日の早く訪れを念仏合掌の心境です。
52 歳・男性
今の世の中自分で自分の首を絞めて苦しむことが多い。これはすべて世の中の誤った流れによることであり、企業の利益最優先の考え方。確かに企業は利益を優先する考えは大切であり、基本でもあるが、あまりにも度が過ぎると「大切な人間の心を失ってしまう」。金では買えない人間としての思いやりとか温かい心が今の世の中から消えてゆく。この問題は、一企業とかいう問題ではなく、また中小企業または大企業の経営者の人の中にも、この利益優先的考えで苦しんでいる方々も多く居られることと思われるが、これはだれも止めることのできない川の流れのようなもの。すべてが一度ぶちこわれて、人の心の大切さというものを多くの人が身をもって感じた時に、また新たな川の流れができると感じる。今は今の世の中のことすべて悪い方に向いて悪循環している。このような時は何をいっても何をしてもダメ。今の流れが行き着くところまでいって、日本国中または世界中がいずれ大不況となり、戦争が拡大することもある。歴史的にみても世界的大不況の時に戦争を行っている。このようなことが起きないことを願っています。
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