990525


周辺事態法に怒り

パイロットや船員の行動に共感

山下 耕一


 いろんな角度から批判が強い「周辺事態法案」。新聞の声の欄でも「子や孫のために」と将来を危惧(きぐ)する声が多い。つい先日は、労働組合員が反対するチラシをまいていて、私も手にした。

 衆議院を通過させた政治、政治家に腹立ちを覚えながら、参議院での審議を注目しているが、正直いって期待はしていない。

 そんな折り、「武器輸送行わない」という新聞の見出しが目に入り注目して読んだ。日本航空機長組合(組合員約千六十人)が五月二十日に開いた臨時大会で、「私たちは、ガイドライン関連法に基づく武器や兵員などの輸送は行わない」との決議を採択したのだ。記事を読み進むと、第二次世界大戦で民間航空の軍事的乱用があったことを指摘し、航空会社の全経営者に対し、政府や米軍などからの軍事物資の輸送依頼を拒否するよう求めている。さらに、経営側にその方針を内外に明らかにすることも要求している。行間に彼らの思いが伝わってくる。

 海員組合なども「周辺事態法案」に反対している。法案が可決されれば一線の現場となるところだけに、こうした動きは重要なことだなあと思いながら読んだ。

 「周辺事態法」に反対して、いろんな団体の運動や努力もある。マスコミでは、これらの動きの一部は報道されるがほとんど伝えられない。商業新聞とはそんなものだが。いろんな機会を通じて情報を伝え、励まし合いながら大きな運動になっていけば、と思っているのは私だけではないだろう。


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