990525


必死で働く毎日だが…

ついにサラ金に借金

タクシー運転手 山岡 勇


 俺の年収は四百五十万円だけど、生活はとても苦しい。大学生の子供が二人いて、教育費がたいへんだ。三月、四月は一番カネが必要なときなのに、この不況で仕事が減り、減収が続いている。

 これまで国民金融公庫なんかから借金してきたが、手続きも複雑だし、もう目いっぱい借りている。ついに、「サラ金でもなんでも借りるしかない」ってことで、サラ金からカネを借りてしまった。早く返済しないと、たいへんなことになる。必死で働く毎日だが、お客さんがガタ減りでどうしようもない。

 それにしてもこの低金利の時代に、サラ金の金利はなぜこんなに高いんだ。きっと金貸しは笑いが止まらないだろう。

 銀行だって金貸しだ。そんな銀行に、政府はなんでカネをやるんだ。銀行救済に使うカネがあるんだったら、生活に困っているところにまわしてくれよ。

 公明党は地域振興券で得意になっているけど、どうして子供が十五歳までの家族にしか配られないのか? ほんとうにカネを必要としているのは俺たちだ。十五歳までの子供がいても、裕福な家庭もあるだろう。そんなところにまで、どうして配るんだ。不公平だよ。地域振興券なんてないほうがましだ。どうせツケは、あとで俺たちが払わされるんだ。

 政治家もひどいもんだ。運転手つきの黒塗りの車でお出迎え。庶民の気持ちなんかわかっちゃいないよ。俺たちのタクシー使って、自分の財布からちゃんと料金払ってみろよ。それも不況対策だ。


Copyright(C) The Workers' Press 1996,1997,1998,1999