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失業者の声

もう食っていけない

自殺を考える毎日…


 訪米した小渕首相は、「失業者の増加は産業構造変革のためにやむをえないことだ」と胸をはり、国をあげてリストラを進めることを米国に宣誓した。米国のご機嫌取りにはしゃいでいる首相に、労働者の痛みがわかるはずもない。失業期間が長期化する中で、失業者は経済面でも精神面でもギリギリの状態に追いつめられている。最近、労働党愛知県委員会が「失業アンケート」を行った。そこに寄せられた、失業者の皆さんの切実な声を紹介する。


私の夫は自殺しました

家族の痛ましさを知ってほしい 55歳・女性

 生活に税をかけられ、自殺した者の家族の痛ましさを知ってほしい。私の夫は自殺しました。消費税五%になって生活の不安が大きすぎました。できることなら私も自殺をと、毎日考えます。

 失業者をつくりだして、なぜに議員数は減らないのか。税金を政治家に使わせたくない。国民のために使ってほしい。日本のこの不況は消費税五%になってから始まった。この認識をしている政治家よ、気づいてほしい。また、海に囲まれた日本の国は農業を死滅させているではないか。農業優先から生まれる人間づくりは尊いものだ。

 政治家よ、おごるなかれ。政治家も企業と同額の月給に絶対にするべきだ。何々大臣様よ。一度この職安にきて、今の日本の実態と自分たちの問題として深く考えることです。国会でのやりとりは国民の哀しさを無視しています。リストラを続けていることが経済回復につながるなんて、とんでもない大間違いです。

 まず議員の報酬を民間並みにすること。次に消費税を三%に戻すこと。そして大型化でなくとも農業生活者がぼちぼちでも食べていけて、核家族化しないような人づくりをする(本来の人間性は小さいころから自然の中で働くことによって身につく)。生活の原点、人間の原点に戻らなくてはならない。

 戦争でもないのに人と人が殺し合いをしているし、いじめをしているし、自殺者を出すなんてやはり政治が悪い。おごった政治家を首にすべき。リストラは労働者の中でなく、政治家同士でしてほしいものだ。切にお願いする。


5人家族で失業給付金もなく 55歳・男性

 私は建設会社に十三年間勤めていましたが、三月に解雇されました。今は毎日のように職探しに通っています。失業保険もまったくなく、家族が五人もいます。これからの生活もどうなるかと思うと頭が痛いです。職探しには交通費がかかるので、一時間〜二時間かかるところまで毎日のように自転車で職探しに行っています。これから先もこの状態が続くのかと思うとやるせない気持ちです。


倒産で失業して半年

年齢制限ではじかれる 37歳・男性

 働きたくても働けない、こんな日々が長く続いております。ただでさえ少ない求人数、そこから希望とする職種を探そうとすると枠はますます狭くなる。また、その中から年齢的条件により大半がはじかれてしまい、かろうじて残った会社の面接を受けてみるものの、この不況下のなかでは、会社側としては安い賃金で使える若い人を採用する。

 年齢条件として三十歳まで、もしくは三十五歳までという会社が非常に多く、三十七歳の私が「年齢の条件を少し越えているのですが面接を受けさせていただくことはできませんでしょうか?」と電話でたずねてみたところで、それが通用するのは景気のよいときの話であり、現状は厳しいものがあります。

 また、ハローワークの新たな求人募集の増えるペースが遅ければ職探しのペースも遅くなってしまい、面接までこぎつける機会も少なく、一週間、一カ月があっという間に過ぎてしまいました。

 なによりも辛いことは決して遊んできたわけでもないのですが、失業者になってから半年もの月日が過ぎてしまいますと、面接の際に、この空白の時間は何をしていたかと必ず質問されてしまうこと。

 自分なりに努力し、職探しに専念してきたと、あれこれ説明してはいるのですが、本当に信用していただけているのか、遊んでいたと思われているのではないかと、不安になってしまいます。

 私の場合、前職で倒産という苦い思いをしているだけに、変に慎重に、神経質になってしまっている部分もあるかと思いますけれど、決して怠けているわけでもなく、もしそれが原因で不採用ということに結びついてしまったらと思いますと、この先の就職活動はますます不安になってしまいます。他にもそのような人は大勢いると思います。


私を救って下さい 19歳・女性

 子宮内膜症、食道潰瘍と二つの病気をかかえ、欠勤、早退の日数が増えてしまったため、会社内での冷たい視線、態度をうけるようになりました。それが嫌になり、同時に家庭内での問題がいろいろとあって、前の会社を退職しました。家から離れ、一人で生活することにしました。

 そんな中、いざ新しい生活をしようと思っても求人が少なく、自分にあった会社がなくて、一人暮らししている私としてはすごく厳しい状況にあります。

 もうすぐ二十歳になっていろいろ税金だとかかかると思うから、ますます苦しい状況になると思い、今、すごく焦っています。どうか、失業者の皆さん、そして私を救って下さい。


食べるのにも苦労する毎日

兄弟から借金して生活 58歳・男性

 私は洋菓子業界で働いていましたが、バブルの崩壊後は会社関係の進物の注文も三分の一ぐらい減り、消費税が五%に上がった後はガタガタになりました。

 三百人から四百人来ていたお客様が午前中に三十人くらいに減り、売上金も少なくなりました。勤めていたときには、手取りで四十二万三千円いただいていた給料も、失業をした現在は一円も入りません。失業したのは昨年の三月です。

 七十日間病気入院をした後、四月から復帰をしたく、会社に電話して社長と話し合いましたが気持ちのよい返事がなかったので、自分でももう少し病気療養のためと思い退職しました。昨年十二月まで雇用保険で食いつなぎ、その間も仕事は探していましたがありませんでした。退職金は入院などで使ってしまいました。

 今は再就職もままならず家賃も払えない状態です。とにかく一年一カ月も失業していると資金が底をつき、今年の一月〜三月まで国民健康保険、国民年金、市県民税は払っていません。

 食べるのも苦労しているので生活保護費が早くほしいです。再就職が決定するまで兄弟からの借金でなんとか首がつながっています。いつまでも貸してもらえないし、切られたら終わりです。

 面接に行っても電話代金ばかりがかかり、不合格の知らせばかりです。娘と二人で生活してますが、私だけでも車にひかれて死にたいぐらいです。


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