990515


若くても就職先がない

日本の将来に不安感じる

吉田 千鶴


 私は今年二十歳になりました。田舎では毎日を平々凡々と過ごしてきましたが、高校を卒業すると同時に、両親とあまり熱心に相談することもなく、自分で就職先を決めて都会に出てきました。

 仕事は新聞配達で、そこで働きながらコンピューター関連の専門学校で勉強ができるというものでした。奨学金をもらえるということでしたので、とりあえず何とかなるのではと思って働きはじめました。

 ところが、私が甘かったのでしょうか。とにかく仕事がきつくて、三カ月ももたずに専門学校に通うのあきらめました。退学してしまうと住むところがなくなるので、休学という扱いにして、新聞配達は何とか続けながら一年余りを過ごしました。いよいよ休学期間の一年が過ぎたので、新聞配達の方も辞めざるをえなくなりました。

 田舎の両親は心配して、「一度帰ってきて、ゆっくりして就職先を決めればいいのに」と電話をかけてきます。でも、すぐに転職することに後ろめたさもあって、この期間働いて貯めていたお金で何とか住むところは確保して、就職口を探しているところです。

 ところがなかなかこれはと思える就職先が見つかりません。自分でも再就職は厳しいなあという感じはあったんですが、若いから何とかなるという思いも強かったのですが。まったくありません。こちらに来てから何人か友達もできましたが、コネで就職できるようなつながりもなく、困っています。とりあえずアルバイトで食いつなごうと考えていますが、将来を考えると、やっぱりきちんとした所に入りたいと思っています。

 最近、友達といっしょにハローワークに行きましたが、仕事はありませんでした。ハローワークは失業者の人でいっぱいでした。こんなにたくさんの人が職に就けていないと思うと、何か暗い気持ちになってしまいます。田舎に帰っても簡単に就職口はないと思いますが、少し余裕をもって考えるためにもいったん帰省しようかとも思ったりもしています。

働く気持ちがある人に働く先がないというのは絶望的な感じで、日本の将来はどうなるんだろうと思ってしまいます。


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