990415


俺の給料明細書

生活苦は極限に近い

自動車工場労働者 橋口 陽一


 自動車工場で働きはじめて30余年。この10年、職能給賃金が導入されて賃上げも個別賃上げ方式となり、俺たち中高年労働者の賃金はほとんど増えていない。最近は残業もまったくなく、生活苦は極限に近い。

 手取りは18万7千円だが、ここから俺の小遣い2万5千円を引いた16万2千円で家族5人が生活している。妻は「あんたの給料では毎日ご飯を食べて寝るだけしかできない」という。妻が受取人の生命保険、子供のための学資保険、それに毎月3千円の貯金が、家族に対する俺の責任の取り方だ。

 岡林信康の歌のように、労働者には「おいらの体が質草」である。


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