990325


労組活動家交流会に参加して
地域の連帯を取り戻そう

神奈川 市村 隆三


 先日、市内の官・民労働組合の活動家が集う交流集会がありました。この取り組みは、一昨年の九七春闘を前に、地区労が解消され地域連合となり、地域での共闘はおろか交流さえますますなくなっていく中で、もう一度地域から単組・産別の枠を超えた支援・連帯の強化と経験交流をはかっていこうとはじめたもので、今回で三回目となりました。

 集会では、講師の方から「今日の経済社会情勢と労働者の課題」と題した講演がありました。その中では、深刻な経済危機の元凶はまず米国・ドル体制の危機にあること、日本の大企業・大資本の競争力が強すぎて実体経済が縮小・破たんへと向かう皮肉な結果となっていること、株式や土地価格といった実態のない資本重視の経済政策・不況対策がますます実体経済をかく乱したことなどが、豊富なデータを示しながら説明されました。最後に、資本の論理に対する人間の論理を確立することが労働者の課題であることを強調して締めくくられました。

 その後いくつかの質疑の後、国労で「改革法承認」に反対して闘っている国労組合員の報告、大手鉄鋼組合でのリストラに対する闘いの報告、自治労での現場の要求に基づいた闘いと地域での商業者と連帯した取り組みの報告、周辺事態法案の審議入りに対して地域からも反対の世論づくりを幅広く進めているとの報告など、多彩な報告が相つぎました。

 集会の最後に、まとめにかえて、地域では失業者が職安にあふれ、商業者や中小製造業も政治に対する生々しい怒りの声をあげており、その中で都知事選で石原慎太郎が横田基地の返還を掲げるなど、この国の二十一世紀に向けた生き方をめぐってギリギリの選択を迫られている状況を見すえ、石原とは別のアジアの中で生きていく道の先頭に日本の労働者が立とうとの訴えと集会宣言を確認して、散会しました。

 一年前の集会時と比べても、春闘では実質賃下げがまかり通り、失業者が職安にあふれる様変わりの実態が進みました。民間で働く自分にとっても、同じ民間の仲間のリストラの話には身につまされる思いがしました。労働者・労働組合の真価が問われている、ここで踏んばらなければ、との思いがますますつのった集会でした。


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