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もうすぐ雇用保険が切れる

職探しにあせる毎日

福岡県・失業者 島田 茂


 私は昨年暮れに会社の経営不振を理由に解雇され、いまは失業の身となった、四十歳の労働者です。それまでは会社のために一生懸命働いてきたのに、なぜこのようなことになるのか、いまの社会の仕組みに矛盾を感じています。何年も昇給はなく、もちろんボーナスなどは一銭もありませんでした。

 妻と娘、それに母を安月給でなんとか養っていましたが、いまは月十四万円足らずの雇用保険で生活しています。妻の国民年金や娘の保育料、それに国民健康保険料や生命保険料などを引くと、手元には何とか食っていける現金しか残りません。もともと贅沢(ぜいたく)をしてなかったので、なんとか生活を切り詰めてやっていますが、いつまで続くか分かりません。あとわずかで雇用保険も打ち切られるので、いまは一生懸命仕事を探しています。

 先日、私の住んでいる地域の職業安定所が催した合同就職面談会があったので参加しました。会場には、仕事を求める方々が八百人以上も来ていました。ロビーはごったがえし、身動きできないほどでした。

 受付で面談する会社のリストを受け取り、自分が求める職を募集している会社を探しました。四十数社が面談会に参加していましたが、なんと半分以上の会社が求人数が一人という具合でした。男女合わせても二百人ほどの求人数です。八百人が面接に来ているのに、これではなかなか仕事が見つかりません。年齢制限などさまざまな制約がついているので、私みたいな年齢になるとますます難しくなります。

 職業安定所はこの集団面談会の開催にあたって、地元新聞に、参加を呼びかける広告を大々的に掲載していました。しかしその中身は、「ただやればいい」というものでしかありませんでした。

 そもそもこの地域は有効求人倍率が〇・三を切っています。職業安定所は集団面談会に参加する会社を一生懸命募ったらしいのですが、この不況の中で求人を募る企業が少ないのはもともと分かっています。それが一人しか募集しない会社が半数以上という実態なのです。「お付き合いだけ」というふうに映ります。

 やらないよりはいいかもしれませんが、もっと根本的に対処しなければ解決しないと思います。別な地域でも合同面談会があったので、高い電車代を払って参加しましたが、やはり中身は同じでした。もっと失業者のために真剣に国は考えるべきだと思います。

 明日は、雇用保険の認定日です。これで給付期限が切れます。早く仕事を探さなければと焦っていますが、どうしようもありません。家族のためにも、今から職業安定所に行きます。仕事が見つかればいいのですが…。


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