990225


商品券は迷惑千万

これ以上値引きできない

商店は疲れきっている

商店主 塚本 肇


 大資本・大銀行には六十兆円もの税金を注ぎ込み、借金をチャラにして、一億二千五百万人の国民の何割かにその一%程度のカネを地域振興券(商品券)としてばらまき、マスコミと一部の政党で大はしゃぎしている。

 まったく商売をやっている者にとっては(皆さんと同じかも知れませんが)、バカバカしくもあり、諸手続きの煩雑さ、おつりがどうのこうのなど考えると、迷惑千万というのが正直な気持ちです。

 とはいっても、それでもワラにもすがりたい、一日でも生き延びようともがいている多くの零細の方もいるのも事実で、これを機会に今はやりの利益還元セールなどといって、一気にはいかないでも「あわよくば」という気持ちがあるのも事実です。

 私たちの商店会でも夜八時半からわざわざ会合をもって、商品券についてあれこれ相談しました。とりあえず、皆取扱い店の申請をすることなりました。

 商店会の上部では、商品券で買うお客には五%、一〇%値引こうなどという意見が出たようですが、このデフレの世の中、目いっぱい利益を削っても売れないのに、そのうえさらに値引きするのは赤字もいいとこだという意見で、ボツになりました。

 現状でも仕入れれば仕入れるほど、在庫がかさんでいます。仕入れを少なくすれば原価が上がり、商品アイテムが少なくなれば、欠品して、客離れしてしまいます。

 一般の消費者がますます中小商店を見すぼらしく見てくるような、自己暗示におちいっています。内心では、政府に腹立たしさを向けるとともに、お客にも腹立たしくなってきたりします。

 中小商店は物心両面で疲れきっています。何か、壮大な変化があればとも思っています。


Copyright(C) The Workers' Press 1996,1997,1998,1999