990205


郵便番号7ケタ導入から1年

現場は人手不足と労働強化

郵政労働者 中山 厚


 一九九八年二月から、郵便番号が七ケタに変わりました。主たる目的は、効率化と八千人の人員削減が狙いです。

 しかし、現状はどうでしょうか。まず、七ケタ区分機導入後、効率化面では正しい順序で道順組立(配達する順に郵便物をそろえる)がスムーズに行われていません。同一番地の軒数の多い所では、正確率に欠けているのが現実です。また、同一番地でない所でも、道順組立が前後していることもあります。

 今年の年賀配達では、きちんと七ケタを記入しても、宛名の局に届かない、迷子郵便(誤送)が何万通もありました。以前では考えられないことが、今郵便輸送面や局内の仕事の中で起きています。また、誤配達も多くなり、市民から苦情も毎日のようにあります。

さて、コスト面と人員削減のほうはどうでしょうか。七ケタ区分機の導入で、設備投資が過剰になっています。一台一億円とも二億円ともいわれる機械を、最終的には二千億円を投じて、全国の普通局に設置する計画です。今、話題のNEC、東芝製の機械です。いわゆる「談合作品」なのです。郵政省の赤字(郵便関係)が二千億円以上と見込まれています。このことが、いっそう民営化や公社化に拍車をかけることになりそうです。

人員削減の面では、今までの年一度の勧奨退職(勤続二十年以上、五十歳以上)の回数も多くなりました。要するに、通年で実施する方針です。

 現場では、人手が足りないので、パート労働者と職員の残業で労働強化が進んでいます。風邪をひいたので休みたいと電話しても、出勤しろとうるさい管理者。調子が悪く、年休を取ろうとしても「時期変更(違う日に変更すること)」もなく断られます。一時間残業の時は、昼休みの帰局時間をずらして食事をしたりしています。また、寒い中帰局しても、暖をとっての一服する時間も許されないのが現場の実情です。

しかし、あきらめるわけにはいきません。大失業の時代、職を辞するわけにいきません。年賀のアルバイトも高校生以外にも、主婦、個人商店の奥さんも来ていました。不況の反映だと思います。労働組合も、郵便局内部の雇用問題だけではなく、働くすべての人びとの労働条件や雇用を守る闘いが必要となってきていると思います。


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