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日教組教研集会
共に生きる社会めざそう

「障害児教育」分科会に参加

広島は就学時健診を廃止

松岡 博美


 日教組第四十八次教育研究全国集会が一月二十一日から二十四日にかけて、岡山市を中心に開催されました。

 私は、地域で「障害」児を普通学校に入学させる運動を十数年取り組んでいます。今年も三人の身体に「障害」をもつ子供を小学校に入学させることができそうです。一月中旬に「普通」の子と同じく、入学通知が届きました。入学通知も私たちの地区では一月中には届くようになってきています。これも私たちの十数年間の粘り強い運動の成果だと考えています。

 そういうことで第十四分科会「障害児教育」に参加してきました。分科会で印象的な発言をいくつか紹介します。 ある小学校の先生は、「小学校に重度『障害』児が在学しているが、酸素の吸引器を先生たちが『医療行為』ということで操作できずに、保護者にやってもらっている。保護者に介護させることも問題だし、『医療行為』というのであれば、医療機関からの支援も必要である。そもそも先生たちが簡単な『医療行為』をできないことも問題だ」と発言しました。

 そのことの関連で、ある先生からは「『障害』児が小学校で亡くなるのと養護学校で亡くなるのでは、養護学校で亡くなるほうが多い。養護学校の先生方は『医療行為』ということで、あるところで線を引いてしまい、急病になっても対処を他人(保護者など)に任せてしまうことが見受けられる」と発言しました。

 また、広島の先生からは、「『障害』児を持つ親たちの働きかけで尾道市では、就学時健康診断が廃止されました」という先進的な報告もありました。さらに、ある先生からは、「算数のわからない『知的障害』児に対し、先生自身の教え方が悪いのかと罪悪感を覚えていた。ある時、お店屋さんごっこをすることになり、その『障害』児は計算ができないので『店番ができないのでは』と子供たちに話したところ、子供たちは『他の人たちから教えてもらえばいい』と言った。子供たちから『できなくてもいいんだ』ということを教えられました」という発言もありました。

 また、ある先生は「小学校に下半身マヒの子供がいる。水泳大会のリレーにその子も出ることになり、その子の泳ぐ距離を短くするなど、まわりの子供たちが自主的にその子に合ったルールを決めていくなど、先生も含めてまわりが変わっていった」と、「障害」児が普通学級にいることの大切さを発言しました。

 私は今回初めての参加で勉強させられることが多かったのですが、何回も参加された先生からは、「だんだん議論がおとなしくなってきている」との指摘もありました。この大会に参加した経験を生かして、これからも「障害」児のためにも、安心して暮らせる町づくりなどの、地域に根づいた活動をしていきたいと感じました。


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